現代思想2020年5月号 緊急特集=感染/パンデミック

-新型コロナウイルスから考える-

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Google+でシェア
現代思想2020年5月号 緊急特集=感染/パンデミック

定価1,650円(本体1,500円)

発売日2020年4月28日

ISBN978-4-7917-1397-4

新型コロナウイルスから考える感染症と思想の交差点
新型コロナウイルスをめぐる報道が目下加熱しているが、感染症との闘いとその共存は、人類史のなかで一大テーマとなってきた。 本特集では感染症とその対策をめぐる現場の最前線から、パンデミックをめぐる人類史、そして患者の隔離政策やワクチン接種などをめぐる統治、感染をめぐる表現などを追い、検討する。

line2.gif

【目次】

 

緊急特集*感染/パンデミック――新型コロナウイルスから考える

 

【議論】
G・アガンベン/J‐L・ナンシー/R・エスポジト/S・ベンヴェヌート / 高桑和巳・伊藤潤一郎訳 

【パンデミックの/と思想】
監視と処罰ですか? いいですねー、お願いしまーす! / S・ジジェク/松本潤一郎訳 
コモン/ウイルス / 水嶋一憲 
恵まれたる者、呪われたる者 / 小泉義之 

【医療の現在地】
感染までのディスタンス / 美馬達哉
感染症の疫学とアウトブレイク対応 / 津田敏秀 
国際共同臨床試験の倫理 / 栗原千絵子+齊尾武郎 
へき地や離島での感染症対策と保健活動 / 青木さぎ里 

【生政治のゆくえ】
戦争・権力・感染 / 木澤佐登志 
フーコーにおける感染症と安全 / 西迫大祐 
COVID-19 時代のリスク / 粥川準二 

【対策をめぐって】
予防接種をめぐる決断と責任 / 手塚洋輔 
感染予防とイベント自粛の倫理学 / 玉手慎太郎 
「科学」的「占い」に抗う大衆動員の予防について / 羽根次郎 
広範囲の都市化を通じたウイルスの伝播 / 平田周 

【感染を描く世界史】
感染症と文明、その中国的文脈について / 飯島渉 
一三─一四世紀アフロ・ユーラシアにおけるペストの道 / 諫早庸一 
コロナから発される問い / 塚原東吾 

【日本の感染症史】
二一世紀の疫因論 / 香西豊子 
ハンセン病「隔離」とは何か / 廣川和花 
清潔の指標 / 川端美季 

【感染をとらえる〈ことば〉】
コレラ・放射能・流言 / 越野剛 
新型コロナ騒動から日本エイズ文学を考える / C・ローウィー 

【感染をめぐる人類学】
鼻口のみを覆うもの / 住田朋久 
エイズ・パンデミックと生き方の変容 / 新ヶ江章友 
「人間以上」の世界の病原体 / 奥野克巳 

【暮らしの危機から考える】
パンデミックで人びとを破滅させてはならない / Ⅴ・プラシャド+M・ベルトルディ/粟飯原文子訳 
グローバリゼーションと「危機」の経済的位相 / 中山智香子 
終わりなき点検と調整 / 田中祐理子 

【病とともにある「日常」】
なぜ病んだ人たちが謝らないといけないの / チョハン・ジニ/影本剛訳 
病者のユートピア / 有薗真代 
パンデミックに浸蝕される「日常」 / 山田陽子 
たったひとりにさせない/ならないために / 山家悠平 

 

【連載●デミウルゴス●第一三回】
鼎制(一) / 磯崎新 

【連載●ポスト・ヒューマニティーズへの百年●第五回】
意識のオデュッセイア / 浅沼光樹 

【研究手帖】
「他者」ではない他者 / 本多真隆