女たちの中東 ロジャヴァの革命

-民主的自治とジェンダーの平等-

M・クナップ 他 著,山梨彰 訳

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女たちの中東 ロジャヴァの革命

定価本体3200円+税

発売日2020年2月22日

ISBN978-4-7917-7253-7

草の根民主主義と永久革命
アラブの春の残響のなか北部シリアで、世界の関心を熱くし、列強を恐れさせる革命が継続している。内戦・イスラム国との死闘の果てに樹立された独立自治政府が目指すは、草の根民主主義・ジェンダーの解放・エコロジー重視などの先進的理念。その実現には女性の自由こそが必須の条件なのだ。ロジャヴァから究極の革命の意味と実情を、総合的に追究する。

デヴィッド・グレーバー
……マスメディアと政治家にとっては、生活のすべての局面での非常に根源的な形式の民主主義と単なる女性の権利にとどまらない完璧な女性の平等を受け入れた民衆運動の出現が、触れたくない話題であることは驚くことではない。……〈序文〉より

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[目次]

序文 デヴィッド・グレーバー
序言 ミヒャエル・クナップ 

プロローグ
ティル・コーチャーへの途上で 

第1章 背景
1 ロジャヴァの地理/2 歴史的な概観

第2章 ロジャヴァの多様な文化
1 クルド人/2 アラブ人/3 アルメニア人とアラム人/4 マイノリティの集団

第3章 民主主義的連合主義
1 クルディスタン労働者党とそのパラダイム変換/2 民主主義的連合主義/3 評議会民主主義/4 民主主義の概念

第4章 解放
1 組織化の開始/2 シリアでのアラブの春/3 非合法な評議会/4 ヒューラー協定/5 革命はコバネで始まる/6 デリークとアフリンの解放/7 解放の後で

第5章 女性の革命
1ロジャヴァの女性/2 革命の中の女性/3 コングレヤ・スター/4 三州での女/5 二重指導体制と四〇パーセントの割当制/6 女性組織/7 ジェンダーの平等は男性の問題でもある/8 過激派イスラム対女性解放/9 展望

第6章 ロジャヴァの民主主義的自治
1民主統一党/2 西部クルディスタン人民評議会/3  西部クルディスタン人民評議会のシステム/4 アレッポのコミューン/5 クルド最高評議会/6  地方行政/7 社会的契約/8 民主主義的自治行政/9 ロジャヴァ・北部シリアの連邦制/10 西部クルディスタン人民評議会と民主主義的・自治的行政組織

第7章 市民社会連合
1 市民社会連合組合/2 文化と芸術/3 革命的青年運動/4 殉教者家族連合/5 人権委員会/6 市民社会の組織化

第8章 防衛――薔薇の理論
1 人民防衛隊/2 女性防衛隊/3 正当な自衛/4 セレーカニイェの解放/5 ティル・コーチャーの解放/6 訓練と入隊/7 装備、部隊、戦術/8 今日のセレーカニイェ/9  ギレ・スピーの解放/10 シリア民主軍/11 人民防衛隊と女性防衛隊の重要性

第9章 新しい司法制度
1 構造/2 平和委員会/3  法律的手続き/4 司法プラットフォーム/5 アサイシュ

第10章 教育の民主化
1 革命前後/2 復興と教育/3 クルド言語・歴史・文芸アカデミー/4 その他のアカデミー/5  展望

第11章 保健医療
1 解放前後/2 保健会議/3 いくつかの難問/4 保健会議と民主主義的・自治的行政組織

第12章 社会的経済
1 バース党による植民地化のもとで/2 解放の影響/3 通商禁止/4 社会的経済/5  協同組合/6 生産の統制/7 協同組合の拡大/8 これからの課題

第13章 環境に関わる諸課題
1 生物多様性の破壊/2 水の危機/3 廃棄物の処理/4 大気汚染/5 石油生産/6  展望

第14章 隣人たち
1 シリア反体制派のイスラム主義化/2 イスラム国/3 クルド地域政府/4 公正発展党統治下のトルコ/5 北部クルディスタンの民主主義的自治/6 トルクメン人民兵/7  シリア民主軍とジハーディスト

第15章 展望
1 ロジャヴァと覇権勢力/2 シリア内部での解決策/3  国際的連帯/4 コミューン主義か野蛮か

あとがき
民主主義的自治の哲学  アシア・アブドュラー 

訳者あとがき

解説(松田博公)

著者について
略語集

原注

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[訳者]山梨彰(やまなし・あきら)

1981年、一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位修得退学。現在、星槎大学大学院専任講師。専門は、社会思想史、多文化教育論。共著に、『商品化された教育』、『わたしたちと朝鮮』ほか。