現代思想2020年3月号 特集=気候変動

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Google+でシェア
現代思想2020年3月号 特集=気候変動

定価1,540円(本体1,400円)

発売日2020年2月28日

ISBN978-4-7917-1395-0

「環境問題」をめぐる議論の歴史を未来につなぐ
スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんによる告発が多くの注目を集めている。地球温暖化への対策を求めるデモ「未来のための金曜日」も世界各地で開催され、気候変動問題に政治・経済的に取り組む機運が本格的に高まってきた。本特集では、気候変動の問題をめぐる歴史や思想、現場での取り組みを辿りつつ、この社会のあり方を私たちの足元から問い直す。

line2.gif

【目次】

 

特集*気候変動

 

【「未来のための金曜日」】
気候変動についてみんなが語ることができる社会に向けて / 井上寛人+黒部睦+谷口実優(FridaysForFuture Tokyo) 

【温暖化対策をめぐる政治】
地球温暖化は社会的災害 / 宮本憲一 
気候変動問題打開のための模索――解決を阻むものの可視化を目指して / 喜多川進 
「自主的取り組み」パラダイムからの脱却を――対策停滞の要因か、停滞の中の牽引役かという議論を越えて / 佐藤圭一 

【〈気象〉をめぐって】
「平成」の日本気象行政――防災気象情報をめぐる「指導」と「連携」 / 若林悠 
気候変動をめぐる人類小史 / 田家康 

【気候変動の歴史から問う】
戦争と環境破壊 / 池内了 
明日なき《世界》――つぎつぎとなりゆく犠牲 / 山内明美 
大洪水の後に――「狩野川台風」の再来をめぐって / 猪瀬浩平 

【気候変動と食をめぐって】
「規則正しいレイプ」と地球の危機 / 藤原辰史 
気候変動とアフリカ――脱国家の世界史からみた農業と生物多様性のゆくえ / 足達太郎 

【暮らしと住処】
生環境構築史宣言――Habitat Building History Manifesto / 松田法子+青井哲人+中谷礼仁 
人間世界と事物の世界の「あいだ」――人新世における新しい共存様式について / 篠原雅武 

【〈環境〉をめぐる表現から】
気候変動をめぐる「遅い暴力」と現代文学の射程 / 芳賀浩一 
環境美学における気候変動の問題 / 青田麻未 

【ノン・ヒューマン/ポスト・ヒューマンの経験】
気候正義の政治 そこにはノン・ヒューマンも含まれるのか / 土佐弘之 
「動物」にとって気候変動はいかに経験されるのか――カナダ北方の森からの視座 / 山口未花子 

【思想としての気候変動】
気候危機と環境革命――気候ケインズ主義、加速主義、エコ社会主義 / 斎藤幸平 
思想史のなかの気候変動――化石経済をめぐるジェヴォンズとラスキンの省察 / 桑田学 
採取――現代思想と気候正義の蝶番 / 箱田徹 

 

 

【連載●デミウルゴス●第一一回】
虚諧(三) / 磯崎新

【連載●科学者の散歩道●第六六回】
学問名の現在――学問名から制度・組織名へ / 佐藤文隆 

【連載●ポストヒューマニティーズへの百年●第三回】
現有(ダーザイン)と形而上学史――ハイデガー / 浅沼光樹 

【研究手帖】
コミュニケーションの政治的次元へ / 三木那由他