ユリイカ2020年2月号 特集=書体の世界

-書・活字・フォント-

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ユリイカ2020年2月号 特集=書体の世界

定価1,760円(本体1,600円)

発売日2020年1月29日

ISBN978-4-7917-0381-4

あなたはどんな書体が好きですか?
偏愛の対象としての、あるいはジャケ買いを誘う契機としての、もしくは視認的な文字どおりのデザインされたものとしての、そんなそれぞれの性格を持つ書体。規格化された活字、さらにはスクリーンに入力される定番としてのデジタルフォントの浸透を前提に、タイプフェイスとしての書から始まる文字のヴァリアントを追う。

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【目次】


特集*書体の世界――書・活字・フォント

❖インタビュー
書体談話 / 府川充男 聞き手=大熊肇

❖書体設計者の営為
使いたくなる書体は誰が創ってくれるのだろう / 味岡伸太郎
活字書体設計としての復刻、翻刻、そして新刻 / 今田欣一

❖書体史再考
明朝体活字の誕生と東遷 / 小宮山博史
活字文献学考 / 鈴木広光
近代日本語活字・書体史研究上の話題 / 内田明

❖写研の時代
「ナール」「ゴナ」あるいは大衆文化の中の文字――書体デザイナー 中村征宏と、元・写研(社長室企画宣伝部長)杏橋達磨に聞く / 阿部卓也

❖誰がための書体――あるいは政治と信仰をめぐって
「UDフォント」の開発にあたって / 高田裕美
書体・字体事件簿 / 松田行正
書体論のためのランダムノート――規範と自由、彫琢と装飾 / 古賀弘幸
妙好としての書体――柳宗悦と真宗仮名 / 扉野良人

❖対談
文字のないタイポグラフィに向かって――未来を広げるためのデザイン / 木緒なち 有馬トモユキ

❖アルファベットの遠近法
インターネットっぽさの所作 / ばるぼら
字体と書体と字形の系統樹――進化する文字世界を鳥瞰する / 三中信宏
「ネオ・グロット」とスイス・スタイルの受容――一九六〇年代日本におけるモダン・タイポグラフィの展開 / 山本政幸
欧文書体とそれ以外 / 大曲都市
書体の透明性 / 古賀稔章

❖アンケート
書体をめぐる三つの質問――趣味と実用と探求のアンケート / 有馬トモユキ 今垣知沙子 大倉真一郎 奥定泰之 小沼宏之 葛西薫 カニエ・ナハ 川名 潤 北岡誠吾 コバヤシタケシ 坂野公一 佐藤亜沙美 重実生哉 白井敬尚 鈴木哲生 大日本タイポ組合 高山羽根子 藤田重信 水戸部功 宗利淳一 山田和寛 山本浩貴+h 結崎剛 六月

❖Typogra-fiction
書体とその引用 / フィクショナガシン
汎詩論、銀杏、ナイフ、苦役 / 尾中俊介
書体は人になにをもたらすか――文体論のためのメモランダム / 山本貴光

❖書体の容器
模倣と創造――『ユリイカ』本文書体の変遷 / 正木香子
タイポグラファとしての小村雪岱 / 真田幸治
タイプフェイスと盆栽――自然と人工の往復運動 / 大山エンリコイサム
かたちとしるしの水際で――羽良多平吉のフォントロジー / 澤直哉
装丁表現が書体表現にすり替わらないために / 長田年伸


❖連載
私の平成史 1 / 中村稔

❖詩
海賦漂流 他二篇 / 小林瑞枝

❖今月の作品
荒川瑞穂・千種創一・鈴木歯車・星空そとば・谷口鳥子 / 選=和合亮一

❖われ発見せり
名無しの桜 / 石津智大