定価1,980円(本体1,800円)
発売日2019年12月27日
ISBN978-4-7917-1390-5
2020年大河の主人公。日本史上最大の謎のひとつにせまる。
土岐源氏の一族とも言われ、流浪のすえに朝倉家、細川家、そして足利将軍家と足場をかえ、織田信長に見出されたとされる人物。しかし、その出自も生涯も不思議なほど謎につつまれ、そのために後世にさまざまな「光秀像」がつくられ、そして、いまなお人々の関心を引き続けている。近年、「石谷家文書」や「淡海温故録」における記述など新しい発見や研究が続き、また2020年の大河ドラマの主人公に選ばれるなど、いま、あらためて明智光秀に注目が集まっている。はたして明智光秀とは何者なのか。中世の末期にあらわれ、室町幕府とカリスマ織田信長のあいだで揺れ動いた謎多き人物に、さまざまな角度からせまるまさに決定版の特集。
【目次】
対談 小和田哲男+柴裕之 明智光秀は私たちに何を教えてくれるのか
光秀と信長
金子拓 光秀主君織田信長
天野忠幸 信長を裏切った家臣たち――久秀・村重・光秀
河内将芳 信長はなぜ本能寺に滞在していたのか
明智光秀とは何ものか
早島大祐 入京以前の明智光秀
浅利尚民 「石谷家文書」から見える明智光秀と本能寺の変
井上優 「淡海温故録」における明智十兵衛の正体――光秀は近江国で生まれたか?
木下聡 明智光秀と美濃国
明智光秀と人びと
田端泰子 明智光秀ゆかりの女性たち
堀新 正親町天皇と信長・光秀
神田裕理 光秀と朝廷
平井上総 長宗我部元親と明智光秀
談話 本郷和人 歴史を学ぶとはどういうことか
明智光秀をめぐる想像力
大澤真幸 理性の狡知――本能寺の変における
小泉義之 謀叛と歴史――『明智軍記』に寄せて
山本一生 本能寺の変と二・二六事件
野口隆 明智光秀と粽
福嶋亮大 「消失する媒介者」としての明智光秀
明智光秀を読み解く――知性・文化・政治
千田嘉博 光秀の城
岩田重則 明智光秀の墓
綿抜豊昭 明智光秀の教養
竹本千鶴 茶人・明智光秀の作意、そして心の闇
鈴木将典 領主・明智光秀