定価1,540円(本体1,400円)
発売日2019年11月28日
ISBN978-4-7917-1389-9
日常の想像力を凌駕する“デカい”数、そのめくるめく世界に迫る
宇宙空間を埋め尽くす砂粒の数を試算したアルキメデスの時代から、数学基礎論の知見を駆使して巨大数の生成を競う現代のグーゴロジストに至るまで、人々はいつも「巨大な数」という存在に魅了されてきた――。本特集では古今東西の数学はもちろん、物理学や情報学、さらには宗教や哲学、人類学といった領域をも横断しつつ、巨大な数と人間との関わりを広く考察する。
【目次】
特集*巨大数の世界――アルキメデスからグーゴロジーまで
【討議】
有限と無限のせめぎあう場所 / 鈴木真治+フィッシュ
【Imagination for Large Numbers】
(寿司 虚空編) / 小林銅蟲
スパゲッティ・カレーライス / 詩野うら
【現代数学とグーゴロジー】
巨大数論発展の軌跡 / フィッシュ
無限の名を呼ぶ――巨大関数をとりまく数学小史 / 木原貴行
無限と連続の数学 / 藤田博司
巨大基数と巨大な巨大基数、超数学での無限と集合論的無限、それらに対する有限の諸相 / 渕野昌
大きな有限の中に現れる構造をめぐって / 徳重典英
【大いなる数の人類史】
歴史的に観た巨大数の位置づけ / 鈴木真治
古代ギリシャの(巨大)数 / 斎藤憲
巨大数の経験 / 師茂樹
仏教経典と『塵劫記』とにおける巨大数の心性試論 / 小川束
【社会、世界、そして宇宙】
情報社会にとって「数」とは何か? / 大黒岳彦
巨大な素数は世界をどう変えるか / 小島寛之
宇宙における巨大数と物理の視点 / 小林晋平
【涯しないもののための哲学】
かぞえかたのわからない巨大数は存在しないのか / 近藤和敬
永遠について――現在の視点から / 佐金武
【巨大な数に〈ふれる〉ということ】
感性的対象としての数――カント、宮島達男、池田亮司 / 星野太
一〇兆と五〇〇億のあいだ――ジンバブエのハイパー・インフレ通貨と巨大数 / 早川真悠
【短期集中連載●『弱くある自由へ』第二版に●補章】
身体×社会アーカイブの構築 / 立岩真也
【連載●科学者の散歩道●第六四回】
メカニカルの移入――和魂洋才 / 佐藤文隆
【研究手帖】
色覚の平等」を求めて / 馬場靖人