定価1,760円(本体1,600円)
発売日2019年11月12日
ISBN978-4-7917-0378-4
装幀家・菊地信義の全貌。そして「本」とブックデザインの未来へ
これまで1万5000冊以上もの装幀を手掛け、そのジャンルも文芸書、詩集、人文書や教科書など多岐にわたり、まさに日本のブックデザインを牽引し続けてきた菊地信義。今年の12月初旬には、菊地信義という装幀家にせまるドキュメンタリー映画『つつんで、ひらいて』が公開される。かつてないほどに「本」そのもののありかたが問われているいまだからこそ、手をつかい、紙に文字をのせ、印刷し、製本する、ということに眼を向ける必要がある。「本」とは何か。そして「本」をデザインするとはどういうことか。装幀家・菊地信義の思想と美学はまさにこうした問いに答えつづけてきた。変化することを恐れず、けっして進化をやめず、まさに最前線で「本」をデザインし続けている菊地信義に迫るとともに、「本」の「未来」を考える総特集。
【目次】
総特集*装幀者・菊地信義
対談
永遠の未完成――これからの「装幀」を考える / 菊地信義+稲川方人
鼎談
菊地信義とは何か――言葉が「本」になる瞬間 / 蜂飼耳+広瀬奈々子+水戸部功
草と本――菊地信義に / 谷川俊太郎
二度二〇分のずれ / 堀江敏幸
その五〇人 / 伊藤比呂美
アートとしての装幀 / 上野千鶴子
言葉から
一瞬の鋭い告白 / 杉本真維子
装幀のこと / 蜂飼耳
本のある世界で / 日和聡子
輝くブラックホール / 奥坂まや
線を引くことから / 福永信
思想から
菊地信義、ワンダーランドへの渡し人 / 西谷修
《劇場》の構築 / 八木忠栄
菊地信義という存在 / 山形季央
書物に宇宙を封じ込める / 安藤礼二
イメージから
放たれた空因 / 菅木志雄
菊地信義とはいかなる存在か、その写真に対する思想と美学 / 築地仁
『つつんで、ひらいて』の菊地信義像とその裏側 / 広瀬奈々子
装幀とは何か
個と孤――菊地信義と文字のあいだ / 鈴木一誌
「水」のような / 桂川潤
見たことのないもの――本と未来とブックアート / 杉野諒
あの熱を帯びたような明朝体 / 吉田篤弘
菊地信義さんと本のこと / 名久井直子
生業 / 水戸部功
装幀室談義 / 新潮社有志
本とは何か
菊地さんとの仕事 / 髙木有
菊地信義さんとの仕事で思い出深い本について / 小川哲生
ワイズとポテサラ / 見田葉子
「装幀=菊地信義」の「純装幀」 / 平山周吉
随筆家としての菊地信義 / 和氣元
装幀=水戸部功