定価3,520円(本体3,200円)
発売日2019年7月23日
ISBN978-4-7917-7188-2
相互批判と論争 新時代の政治理論へ
新しい民主主義のための政治理論をいかに創造するか。フェミニズム、クィア理論のバトラー、ポスト・マルクス主義のラクラウ、ラカン派マルクス主義の代表ジジェクが一堂に会し、グラムシの「ヘゲモニー」概念を軸に、ラカン、ヘーゲル、普遍主義と文化多元主義、代表/表象問題、経済のグローバル化など、現代まで通底する課題をめぐって激しく論争する。
解説=山本圭
【目次】
序文
問題提起
普遍なるものの再演 形式主義の限界とヘゲモニー
ジュディス・バトラー1
アイデンティティとヘゲモニー
エルネスト・ラクラウ1
階級闘争か、ポストモダニズムか? ええ、いただきます!
スラヴォイ・ジジェク1
*
競合する複数の普遍
ジュディス・バトラー2
構造、歴史、政治
エルネスト・ラクラウ2
以下くり返し(ダカーポ・センツェ・フィーネ)
スラヴォイ・ジジェク2
*
ダイナミックな複数の結論
ジュディス・バトラー3
普遍性の構築
エルネスト・ラクラウ3
場を保つ
スラヴォイ・ジジェク3
訳者あとがき
解説
邦訳文献
[著者] ジュディス・バトラー(Judith Butler)
米国カリフォルニア大学バークレー校教授(修辞学・比較文学)。ヘーゲル哲学からはじまりフェミニズム理論、セクシュアリティ研究を中心に、現代思想・批評理論を手がける。邦訳著書『ジェンダー・トラブル』『アセンブリ』(いずれも青土社)など。
[著者] エルネスト・ラクラウ(Ernesto Laclau)
英国エセックス大学教授(政治理論)。権力の言語構築性を問題にして、ポスト・マルクス主義の視点で現在の政治をよみとく。邦訳著書『資本主義・ファシズム・ポピュリズム』(柘植書房)、『ポピュリズムの理性』(明石書店)など。
[著者] スラヴォイ・ジジェク(Slavoj Žižek)
スロヴェニアのリュブリアナ大学社会学研究所上級研究員。ラカン派マルクス主義者として、理論的研究とともにポピュラー・カルチャー分析もおこなう。邦訳著書『斜めから見る』『絶望する勇気』(いずれも青土社)、『イデオロギーの崇高な対象』(河出書房新社)など。
[訳者] 竹村和子(たけむら・かずこ)
お茶の水女子大学大学院人間文化研究科教授(英米文学・批評理論)。著書『フェミニズム』(岩波書店)、訳書バトラー『ジェンダー・トラブル』(青土社)など。
[訳者] 村山敏勝(むらやま・としかつ)
成蹊大学文学部助教授(英文学・現代批評)。訳書デイヴィス『要塞都市LA』、コプチェク『わたしの欲望を読みなさい』(いずれも青土社、共訳)など。