アフター・カルチュラル・スタディーズ

吉見俊哉 著

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アフター・カルチュラル・スタディーズ

定価2,860円(本体2,600円)

発売日2019年7月20日

ISBN978-4-7917-7184-4

越境する文化、抗争する文化、共振する文化
〈文化〉と〈政治〉をめぐる問いを深化させてきたカルチュラル・スタディーズの大いなる蓄積の後に、どのような批判的な知を構築し直せるのか? そして、新自由主義により社会が分断され、現実の基盤が崩壊するなかで、どのような知を追い求めればいいのか? 〈連帯〉へと向かう、挑戦の書。

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【目次】

序 章 トランプ時代のカルチュラル・スタディーズ――再定義の試み

第Ⅰ部 越境する文化
Ⅰ-1 岐路に立つカルチュラル・スタディーズ
Ⅰ-2 サブカルチャーと差異の政治
Ⅰ-3 ポストモダニティとほつれゆく文化
Ⅰ-4 問いとしての政治的身体
Ⅰ-5 カルチュラル・スタディーズの旅は続く――追悼・スチュアート・ホール
Ⅰ-6 東アジアのCultural Studiesとは何か
Ⅰ-7 カルチュラル・スタディーズとグラムシの対話をめぐって

第Ⅱ部 抗争する文化
Ⅱ-1 「アメリカの世紀」の終わり
Ⅱ-2 「アメリカ」を欲望/忘却する戦後――「基地」と「消費」の屈折をめぐって
Ⅱ-3 東アジアにおける「アメリカ」という日常意識
Ⅱ-4 誰が「沖縄」を消費するのか
Ⅱ-5 アメリカニズムとは何か――古矢旬『アメリカニズム』を読む
Ⅱ-6 アメリカの終わりと日本の末路――二一世紀はどんな時代か

第Ⅲ部 共振する文化
Ⅲ-1 皇居前から国会前へ――戦後日本と〈街頭の政治〉の転回
Ⅲ-2 「セゾン文化」とは何だったのか
Ⅲ-3 まなざしの檻 見ることの権利――見田社会学と可視性の政治
Ⅲ-4 鶴見良行とアメリカ――もうひとつのカルチュラル・スタディーズ
Ⅲ-5 カルチュラル・タイフーンの翼に乗って

エピローグ 劇つくりの越境者――追悼・如月小春

参考文献
あとがき
人名・団体名索引

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[著者] 吉見俊哉(よしみ・しゅんや)

1957年、東京都生まれ。社会学者。東京大学教養学部卒業、同大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。専門は社会学、カルチュラル・スタディーズ。現在、東京大学情報学環教授。カルチュラル・スタディーズの日本における旗手として、戦後日本とアメリカの関係を一貫して考究、アカデミアにとどまらない広域な文化運動としての「カルチュラル・タイフーン」を中心的に担っている。主な著書に『平成時代』(岩波新書、2019年)、『トランプのアメリカに住む』(岩波新書、2018年)、『視覚都市の地政学』(岩波書店、2016年)、『夢の原子力』(ちくま新書、2012年)、『アメリカの越え方』(弘文堂、2012年)、『親米と反米』(岩波新書、2007年)、『カルチュラル・ターン、文化の政治学へ』(人文書院、2003年)、『メディア時代の文化社会学』(新曜社、1994年)などがある。