なぜ脳はアートがわかるのか

-現代美術史から学ぶ脳科学入門-

エリック・R・カンデル 著,高橋洋 訳

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なぜ脳はアートがわかるのか

定価本体3200円+税

発売日2019年6月22日

ISBN978-4-7917-7175-2

脳、前衛芸術に挑む。
絵画を見て、それを「よい」と思うとき、脳では何が起こっているのか。複雑怪奇な前衛芸術が「わかる」とはどういうことなのか。ノーベル賞を受賞したエリック・カンデルが、脳科学、医学、認知心理学、行動科学から美学、哲学まで、あらゆる知を総動員し、人間の美的体験のメカニズムを解き明かす。

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【目次】

謝辞
はじめに

I ニューヨーク派で二つの文化が出会う

第1章 ニューヨーク派の誕生

II 脳科学への還元主義的アプローチの適用

第2章 アートの知覚に対する科学的アプローチ
  鑑賞者のシェア
  逆行学問題―視覚の本質的な限界

第3章 鑑賞者のシェアの生物学(アートにおける視覚とボトムアップ処理)
  視覚システム
  視覚システムの脳処理コンポーネント
  人間の神経系が備える他のコンポーネント
  視覚と触覚の相互作用と情動の動員

第4章 学習と記憶の生物学(アートにおけるトップダウン処理)
  学習と記憶に対する画ん元主義的アプローチ
  学習と記憶に関する心理学と生物学の融合
  記憶はどこに蓄積されるのか?
  記憶はいかに蓄えられるのか?
  短期的記憶、長期的記憶の形成
  トップダウン処理とアート

III アートへの還元主義的アプローチの適用

第5章 抽象芸術の誕生と還元主義
  ターナーと抽象への移行
  モネと印象派
  シェーンベルク、カンディンスキー、そして最初の真の抽象イメージ

第6章 モンドリアンと具象イメージの大胆な還元

第7章 ニューヨーク派の画家たち
  デ・クーニングと具象的要素の還元
  ポロックとイーゼル画の解体

第8章 脳はいかにして抽象イメージを処理し知覚するのか
  感覚刺激と知覚
  デ・クーニングとポロックの抽象画を再考する

第9章 具象から色の抽象へ
  ロスコと色の抽象
  色彩の抽象と還元へのルイスのアプローチ
  カラーフィールド・ペインティングの情動喚起能力

第10章 色と脳
  色覚
  色と情動

第11章 光に焦点を絞る
  フレイヴィンと蛍光灯
  タレルと光と空間の現前

第12章 具象芸術への還元主義の影響
  カッツと具象への回帰
  ウォーホルとポップアート
  クローズと統合

IV 始まりつつある抽象芸術と科学の対話

第13章 なぜアートの還元は成功したのか?
  視覚処理に関する抽象芸術の新たなルール
  創造的な鑑賞者
  創造性とデフォルトネットワーク―抽象芸術
  抽象芸術と心理的距離に関する解釈レベル理論

第14章 二つの文化に戻る

訳者あとがき

巻末注
参考文献
人名索引

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[著者] エリック・R・カンデル(Eric R. Kandel)
1929 年ウィーン生まれ。米コロンビア大学教授。現代を代表する脳神経科学者。記憶の神経メカニズムに関する研究により、2000 年ノーベル医学生理学賞を受賞。邦訳された著書に『記憶のしくみ』(講談社ブルーバックス)、『カンデル神経科学』(メディカル・サイエンス・インターナショナル)、『芸術・無意識・脳』(九夏社)などがある。

[訳者] 高橋洋(たかはし・ひろし)
1960年生まれ。同志社大学文学部文化学科卒(哲学及び倫理学専攻)。IT企業勤務を経て翻訳家。A・フランク『地球外生命と人類の未来』、R・ダン『世界からバナナがなくなるまえに』(以上、青土社)、E・メイヤー『腸と脳』、S・B・キャロル『セレンゲティ・ルール』(以上、紀伊國屋書店)、A・ダマシオ『進化の意外な順序』(白揚社)など科学系の翻訳書多数。