定価2,640円(本体2,400円)
発売日2019年5月25日
ISBN978-4-7917-7160-8
空間のアルケオロジー
〈家〉を、住むだけの〈容器〉としてではなく、人間的な時間や空間が織り込まれた複合する〈テキスト〉として捉え、そこにに輻輳する人類の思考と想像力を掘り起こす。〈家〉という場に投影された社会・文化の多義性と、人間存在の混沌を見極めるスリリングな現象学。
【目次】
1 生きられた家
1 生きられる空間
2 建てることと住むこと
3 かつて、家は……
4 家と巣の比較
5 隠喩としての家
2 空間の織り目
1 空間の発生
2 仮象としての物
3 場所の連鎖
4 おもてとうら
3 住みつくかたち
1 ことばと空間
2 空間の図式
3 内部からの生成
4 時間テキストのなかの空間
5 家の境界あるいはコスモロジー
4 欲動と記号
1 家と無意識
2 感覚的な世界
3 光と闇
4 物と記号
5 小さな次元
6 ブリコラーシュ
5 象徴とパラドックス
1 痕跡の宇宙
2 かくされた図像
3 アーキタイプ
4 象徴と両義性
5 常識の世界
6 まがいものの役割
6 時間と記憶
1 時間のさまざまな位相
2 記憶と時間
3 時間のない家
4 演劇本能あるいはやわらかな宇宙
エピローグ
参考文献一覧
あとがき
解説 今福龍太
[著者] 多木浩二(たき・こうじ)
東京大学文学部美学美術史学科卒業。東京造形大学教授、千葉大学教授を歴任。主な著書に、『眼の隠喩』『「もの」の詩学』『欲望の修辞学』『天皇の肖像』『写真の誘惑』『シジフォスの笑い』『船がゆく』『戦争論』『ベンヤミン「複製技術時代の芸術作品」精読』『建築家・篠原一男』『視線とテクスト』ほか。