定価1,760円(本体1,600円)
発売日2019年2月22日
ISBN978-4-7917-0361-6
『パタリロ!』100巻到達&『翔んで埼玉』実写映画化記念!
2018年に耽美主義の最後の砦にして、偉大なるパタリロ・ド・マリネール8世の一大叙事詩『パタリロ!』が100巻に到達、ミーちゃんこと魔夜峰央もデビュー45周年を迎えた。怪奇マンガから始まり、少女マンガにギャグを持ちこみ、さらにはミステリもSFも、そしてもちろんBLもほしいままにした魔夜峰央の曼荼羅を、『翔んで埼玉』実写映画化を前に読み解く総力特集。
【目次】
■口絵
美しき狂騒と静謐――「魔夜峰央原画展」より(選・解説=ヤマダトモコ 協力=明治大学 米沢嘉博記念図書館)
■ロングインタビュー
永遠の28歳、ミーちゃんこと魔夜峰央の絢爛豪華な三万字 / 魔夜峰央 with 山田芳実(聞き手=野田謙介+ヤマダトモコ)
■魔夜峰央またの名を
スラップスティックコミック罷り通る / 辻 真先
ブレない男《魔夜峰央》 / 柳家小せん
戴冠前夜、霧のバミューダトライアングル / 日高利泰
〈ミーちゃん〉の居場所――マンガ家の自己表象をめぐる八〇年代的想像力のかたち /雑賀忠宏
■愛妻と愛娘と
家族としてのミーちゃん / 山田芳実 山田マリエ(司会=ヤマダトモコ)
娘が父をふりかえってみて / 山田マリエ
■ミーちゃんのピルエット
魔夜先生と新潟 / 坂田文彦
僕と『パタリロ!』 / 瀧上伸一郎(流れ星)
魔夜峰央『パタリロ!』にみるバレエの姿 / 芳賀直子
こまどりは死に、うたが始まる――「クック=ロビン音頭」考 / 細馬宏通
■オマージュイラスト
ミーちゃんに捧ぐ / 高橋葉介 羅川真里茂 久世番子 高遠るい 丸木戸マキ 尾籠憲一
■マリネラの数秘術――『パタリロ!』の謎と秘密
魔夜峰央のタロットカード / 鏡リュウジ
『パタリロ!』にとって「占い」とはなにか / 石井ゆかり
担当編集は黄昏刻に / 佐川俊彦
小銭を愛する名探偵――パタリロ・ミステリーにおける三大発明 / 青崎有吾
『パタリロ!』ギャグの無限速度と四つの想話機能 / 高橋明彦
顔のない口――魔夜世界のこわくないもの / 岩下朋世
魔なる夜を覆う影――魔夜峰央とクトゥルー神話 / 森瀬 繚
謎と陰謀としての世界――広義ミステリとしての『パタリロ!』 / 高田敦史
■単行本未収録作品
ワタリ‼ / 魔夜峰央
■唯美主義者の弁論
レザンファン・テリブル / 志磨遼平(ドレスコーズ)
“美少年殺し(キラー)”の世界 / 桜井 青
ヤワコい線上の『パタリロ!』 / 篠原資明
魔夜峰央作品が、BL小説にもたらしたものは? / 永久保陽子
知的で、キモくて、変態でかわいい――《かわいい》の概念を拡張したパタリロ / 粟生こずえ
型で遊ぶ――スヌーピーとパタリロ / 三浦知志
■『パタリロ!』は永遠に
終わらない『パタリロ!』 / 池田テツヒロ
美少年かく語りき / 佐奈宏紀
この「埼玉ディス」マンガがひどい! ……本当に? / ホンナタカヒロ
美少年たちの戯れる“神棚” / miyako
■漆黒と白閃
パタリロのすまう「場所」――マリネラ国埼玉県霧のロンドン空港 / 伊藤 剛
デコレーション!のマンガ――魔夜峰央のマンガ空間 / 平松和久
ビアズリーの挿絵はマンガの形式に影響をおよぼしたのか? / 松下哲也
これはやはり「ディス」なのだ――二〇一九年の「翔んで埼玉」論 / 島村マサリ
■魔夜峰央曼荼羅
魔夜峰央全漫画単行本解題 / セカイ
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