定価1,980円(本体1,800円)
発売日2019年2月15日
ISBN978-4-7917-1377-6
2018年12月の来日講演も多数収録!!バトラーの思想の真髄に迫る!!
フェミニズム理論やゲイ・レズビアン・スタディーズ、社会学、人類学、精神分析など多様な学問分野を横断し、またアラブの春やオキュパイ・ウォールストリート等にも応答してきた、研究室(ラボラトリー)と街頭(ストリート)を行き来する無二の哲学者/理論家・バトラーの仕事を再考し、次世代の思想と活動へと継承していく。
【目次】
* テクスト
ジュディス・バトラー/坂本邦暢訳 この生、この理論
ジュディス・バトラー/本荘 至訳 非暴力、哀悼可能性、個人主義批判
ジュディス・バトラー/合田正人訳 メルロ=ポンティと、マルブランシュにおける「触れること」
* 討議
清水晶子+クレア・マリィ ジュディス・バトラーを〈翻訳〉する
* セミナー
ジュディス・バトラー/佐藤嘉幸訳 恐れなき発言と抵抗
佐藤嘉幸 個人的パレーシアから集団的パレーシアへ――「恐れなき発言と抵抗」へのコメント
廣瀬純 民主主義の彼方へ――「恐れなき発言と抵抗」へのコメント
清水知子 「現れの政治」が「忘却の穴」に突き落とされる前に考えるべき三つのこと――「恐れなき発言と抵抗」へのコメント
* 理論から問う
合田正人 アンダーグラウンド異景――バトラーはスピノザをどう読んでいるか
羽生有希 来たりし、来たるべきフェミニスト哲学――フェミニスト現象学とジェンダー・パフォーマティヴィティ
森山至貴 複数の置換可能性――パフォーマティヴィティ概念をめぐって
岡崎佑香 文字通り病み痛む身体?――ジュディス・バトラー『問題なのは身体だ』の身体論
* 身体の政治
新田啓子 追悼の前提――いかに殺しに抗するのか
藤高和輝 身体を書き直す――トランスジェンダー理論としての『ジェンダー・トラブル』
山田秀頌 バトラーとトランスの両義的な関係
* 倫理と連帯
岡野八代 「平和の少女像」とは、誰なのか?――バトラーにおける倫理との対話のなかで
山本圭 とりあえず連帯すること――ジュディス・バトラーの民主主義論
五十嵐舞 複数の「わたし」による連帯――ジュディス・バトラーの集合の政治と差異
* 文学/芸術
北田暁大 「彼女は東大を知らないから」――実践のなかのジェンダー・トラブル
黒岩裕市 「性別」を脱ぐ、「性別」を着込む――村田沙耶香『ハコブネ』とジェンダー規範
竹田恵子 カミングアウトのドラマトゥルギー――古橋悌二とジュディス・バトラーの思想
岩川ありさ 前未来形の文学――小野正嗣『獅子渡り鼻』論
* クィア理論の継承と発展
井芹真紀子 〈不在〉からの視座、〈不在〉への視座――ディスアビリティ、フェミニズム、クィア
佐々木裕子 孤独と悲哀のエネルギー――「幸せ」の規範へのクィアな/の抵抗と生存のために