現代思想2019年2月号 特集=「男性学」の現在

-〈男〉というジェンダーのゆくえ-

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現代思想2019年2月号 特集=「男性学」の現在

定価1,540円(本体1,400円)

発売日2019年1月28日

ISBN978-4-7917-1376-9

いまこそ「男」を問い直す
さまざまな社会状況の変化を受け、いま再び「男性学」が注目を集めている。男性が男性として抱える困難を真摯に見つめ直しつつ、しかしフェミニズムに対する不毛なアンチに陥る危険を注意深く避けながら、男性性のあり方を批判的かつポジティヴに思考する途はあるか。本特集ではセクシュアリティやコミュニケーション、教育、労働、福祉といった多様な観点から「男」なるものの来し方と行く末を思考する。

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【目次】

 

特集*「男性学」の現在――〈男〉というジェンダーのゆくえ

 

【男が男を考えるということ】
男性学・男性性研究=Men & Masculinities Studies――個人的経験を通じて / 伊藤公雄 
日本における男性学の成立と展開 / 多賀太
男性学は誰に向けて何を語るのか / 田中俊之

【マスキュリニティのゆくえ】
「草食男子」から考える日本近現代史 / 深澤真紀 聞き手=清田隆之(桃山商事)
〝鏡〞の中の俺たち――「女性の目に映る男の姿」をめぐる当事者研究 / 清田隆之(桃山商事) 
暴力の遍在と偏在――その男の暴力なのか、それとも男たちの暴力性なのか / 中村正 
男らしさの危機、あるいは危機の言説? / F・デュピュイ=デリ 訳=須納瀬淳

【男性学とフェミニズム/クィア・スタディーズ】
CSMM(男性[性]批判研究)とフェミニズム / 海妻径子 
ラディカル・メンズリブのために / 杉田俊介 
ないことにされる、でもあってほしくない――「ゲイの男性性」をめぐって / 森山至貴 
とり乱しを引き受けること――男性アイデンティティとトランスジェンダー・アイデンティティのあいだで / 藤高和輝 

【承認という問い】
生きづらい女性と非モテ男性をつなぐ――小説『軽薄』(金原ひとみ)から / 貴戸理恵 
痛みとダークサイドの狭間で――「非モテ」から始まる男性運動 / 西井開 

【Men’s bodies that matter】
新たなる男性身体の〈開発〉のために / 澁谷知美+金田淳子
自然の再来――フェミニズム、覇権的男性性、新しい唯物論 / S・ガーリック 訳=清水知子 
男性原則の彼岸へ――男の現象学はどこまで可能か? / 稲垣諭 
少女になること――新しい人間の誕生と救済の非対称性 / 黒木萬代 

 

【連載●瓦礫(デブリ)の未来●第一九回】
巨大数(二) / 磯崎新 

【連載●科学者の散歩道●第五五回】
科学で広がる世界と人々――想像を超えて / 佐藤文隆 

【研究手帖】
音の憑在論とオブジェクト指向存在論 / 髙橋勇人