定価1,540円(本体1,400円)
発売日2018年11月21日
ISBN978-4-7917-7121-9
天皇制のある国の日常とは
ネットお見合いで知り合った女性の深い秘密から、この国の機構のいびつさに接してゆく、『文學界』発表時から話題を呼んだ表題作。消えてゆく煙草とコンビニをペーソスとともに描いた「さようならコムソモリスカヤ・プラウダ」、実家と膨大な蔵書を処分する一幕「実家が怖い」、赤裸々に「艶舗」に通う日々を描く「五条楽園まで」、『ハムレット』の大胆なパロディ「ホレイショーの告白」の全五篇を収録。
【目次】
とちおとめのババロア
実家が怖い
五条楽園まで
さようならコムソモリスカヤ・プラウダ
ホレイショーの告白
初出一覧
[著者] 小谷野敦(こやの・あつし)
1962年茨城県生まれ。東京大学文学部英文科卒。同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。大阪大学助教授、東大非常勤講師などを経て、作家・比較文学者。2002年に『聖母のいない国』(青土社)でサントリー学芸賞受賞。著書に『谷崎潤一郎伝』『川端康成伝』(以上、中央公論新社)、『文学賞の光と影』『弁慶役者 七代目幸四郎』(以上、青土社)、『馬琴綺伝』(河出書房新社)、『江藤淳と大江健三郎』(筑摩書房)、『東十条の女』(幻戯書房)など多数。