定価1,650円(本体1,500円)
発売日2018年9月27日
ISBN978-4-7917-0356-2
動物、植物、昆虫から恐竜、怪獣、妖怪まで、ジャンルを問わず人々を魅了し続ける、めくるめく図鑑の世界に迫る!
動物、植物、恐竜はもちろん、乗り物や鉱物、さらには怪獣や妖怪といった架空の存在に至るまで、さまざまなジャンルの「図鑑」が古くから私たちを魅了してきた。『リアルサイズ古生物図鑑』(技術評論社)や『ほぼ命がけサメ図鑑』(講談社)などの話題作が立て続けに登場し、近年いっそうの盛り上がりを見せている図鑑の世界――その尽きせぬ魅力と奥深い愉しみを探る。
【目次】
■私が出会った人々*34
故旧哀傷・工藤幸雄 / 中村稔
■詩
駐屯地 / 杉本真維子
特集*図鑑の世界
■インタビュー――“図鑑の世界”への招待状
人類普遍の図鑑を求めて / 荒俣宏(聞き手=編集部)
■図鑑制作の現場から
大人のための恐竜図鑑 / 小林快次
『リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』ができるまで。そして…… / 土屋健
図鑑を作る仕事――小学館の図鑑NEOの立ち上げから『日本魚類館』まで / 北川吉隆
■詩
アオゲラとヤマゲラ――図鑑について / 小笠原鳥類
■マンガ――図(によりて)鑑(る)
水族館にて / panpanya
記録 / コマツシンヤ
イーフィの植物図鑑 ~マタタ樹~ / 奈々巻かなこ
深夜のダメ恋図鑑ができるまで / 尾崎衣良
図鑑と図鑑のようなもの / 八木ナガハル
■図鑑・原論
名前を知る、工夫を味わう――“図鑑マニア”かく語りき / 斎木健一(聞き手=編集部)
体系化と視覚化――図鑑に見るヴィジュアル思考の背景 / 三中信宏
無限の網と開いた窓――一八世紀フランス『百科全書』から考える図鑑の二つの相 / 大橋完太郎
ゲーテと図鑑 / 石原あえか
■対談
サイエンスの〈扉〉としての図鑑――あるいは分類と系統の交叉点 / 三中信宏×川上和人
■〈見えること〉への希求
これまでの図鑑、これからの図鑑 / 小田隆
『哲学用語図鑑』の作り方 / 斎藤哲也
もっとも普遍的で恒久的な図鑑、元素図鑑 / 結晶美術館
■図鑑的欲望の系譜学
大きなものと小さなもの――図鑑と絵本の出会うところ / 寺村摩耶子
ずかんの〈譜〉を鑑る愉しみ――図譜の/から逸脱してゆく詩情 / 大久保ゆう
コレクターの精神構造――ささやかだけれど切実な病理 / 春日武彦
南方熊楠と江戸の図鑑『訓蒙図彙』 / 松居竜五
日本・鉱物・図鑑――鉱物図鑑とその戦後 / 伊藤剛
隠喩としての図鑑――中平卓馬『なぜ、植物図鑑か』について / 甲斐義明
■アンケート
わたしと図鑑
石川宗生/柞刈湯葉/荻野慎諧/片桐仁/鴻池朋子/小宮山雄飛/酉島伝法/古田一紀/宮内裕賀/吉川浩満/ヨシタケシンスケ
■図鑑をめぐる冒険
人生図鑑 / なばたとしたか
図鑑が導く妖怪の世界 / 朝里樹
迷走と混沌 / 沼口麻子
おじさんと格闘した日々 / なかむらるみ
■図鑑的思考の考現学
子供の世界観形成における「怪獣図鑑」の作用について / 倉谷滋
学習図鑑の定着とその後――のび太はなぜ図鑑に対する態度を変化させたか / 森下達
図鑑のパノラマ、雑誌のアクチュアリティ / 田中里尚
キッチュの図鑑――石子順造『ガラクタ百科』を読む / 佐藤守弘
好きなものを好きなように、どこまでも過剰により愉しく――自主制作メディアにおける「図像」の結び方 / 阿部純
ゲームと図鑑――世界を生成する図鑑/世界を蒐集する図鑑 / 山本貴光
ポケットの中の(はてしない)図鑑 / さやわか
■資料
世界と出会い直すための図鑑ガイド――明治以降の生物図鑑から / 斎木健一
■今月の作品
かるべまさひろ/小林瑞枝/Resu/ゆずりはすみれ/藍露
選=水無田気流
■われ発見せり味のないパスタから感じる無駄と博愛 / 藤原麻里菜
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