定価1,980円(本体1,800円)
発売日2018年8月27日
ISBN978-4-7917-0354-8
9月1日濱口竜介監督『寝ても覚めても』(原作:柴崎友香)が公開!!
『ハッピーアワー』によりロカルノ国際映画祭・最優秀女優賞、芸術選奨新人賞を受賞した濱口竜介監督の魅力に、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品『寝ても覚めても』の公開を契機に迫る。
【目次】
■私が出会った人々*33
故旧哀傷・高野昭 / 中村稔
■詩
くるっくるの夏の詩 / 松本圭二
特集*濱口竜介――『PASSION』『ハッピーアワー』『寝ても覚めても』…映画監督という営為
■対談
「さいわいなことに、濱口さんも役者が好きなんです」――『寝ても覚めても』をめぐる三つの問題点 / 濱口竜介+蓮實重彥(取材・構成=三浦哲哉)
■『寝ても覚めても』と〈映画〉
三宅唱監督への10の公開質問――『きみの鳥はうたえる』『寝ても覚めても』同日公開記念 / 濱口竜介
真実さ / 清原惟
串橋がチェーホフの戯曲の一節を暗唱するとき、ひとり驚いていない朝子の目 / 三浦哲哉
マヤは誰を演じているのか? / 須藤健太郎
『寝ても覚めても』の方法 / 冨塚亮平
■インタビュー――三つの『寝ても覚めても』
二人と半分の重なり / 柴崎友香(聞き手=佐々木敦)
偶然と必然の蓋然性 / 東出昌大(聞き手・構成=篠儀直子)
運搬・堆積・侵食 / tofubeats(聞き手・構成=木津毅)
■Memoire
深夜の東京郊外で / 千葉雅也
『何食わぬ顔』のころ / 東辻賢治郎
濱口竜介と二〇一二年と二〇〇八年の出来事 / 杉原永純
座って、待っていた。 / 阿久津隆
■ハマグチ! ハマグチ! ハマグチ!
見せるために動くこと、あるいは声のはじまり / 岡本英之(聞き手・構成=寺岡裕治)
「あるかなきか」の感情を顕現させること――映画作家・濱口竜介の生成 / 木村建哉
椅子について / 萩野亮
見出された時――フランスにおける濱口竜介の受容と評価をめぐって / 槻舘南菜子
■オマージュ写真+テキスト
仙台市の映画館「桜井薬局セントラルホール」最後の日 / 志賀理江子
映画と眠りについての断章――「手紙についての手紙」からの抜粋 / 濱口竜介
■「東北記録映画三部作」という聞き手
映画『うたうひと』が生まれるまで / 小野和子
荒野に火を灯す――語ること、聞くこと / 瀬尾夏美
濱口監督の方へと接近するための準備 / 丹生谷貴志
耳のイマジナリーライン――濱口竜介、あるいは「東北記録映画三部作」の聴覚性について / 長門洋平
■鼎談
からだと動き――自発性の根拠と無根拠 / 濱口竜介+砂連尾理+平倉圭
■「いい声」はどこからくるのか
「映像にダンスは映るのか」問題について / 濱口竜介
映画がわたしではない誰かになるとき / 伊藤丈紘
水戸で触れた「不気味なもの」 / 平島悠三
濱口監督とともに、ルノワールを / 野崎歓
「演者のからだに固有のニュアンス」を聞く――濱口竜介と「本読み」の方法 / 角井誠
■トークイベント再録
『ハッピーアワー』/論の奇妙な冒険 / 濱口竜介+三浦哲哉
■インタビュー――『ハッピーアワー』を録る
特別な瞬間の響き / 松野泉(聞き手・構成=三浦哲哉)
■『ハッピーアワー』の圏域
ノイズの夢――『ハッピーアワー』の音声がもたらすこと / 細馬宏通
「社会実験」としての映画――『ハッピーアワー』について考える / 長谷正人
『ハッピーアワー』と妊娠 / 木下千花
■濱口竜介‐論
濱口竜介主要作品/批評解題 / 冨塚亮平
■今月の作品
二嶋あおり/村崎カイロ/藍露/Resu/ゆずりはすみれ
選=水無田気流
■われ発見せり
メタモルフォーゼの輪郭 / 豊彩夏
書容設計 editorial design = 羽良多平吉+えほんごラボ heiQuiti HARATA @ EDiX with ehongoLAB.