定価1,980円(本体1,800円)
発売日2018年6月24日
ISBN978-4-7917-7080-9
いま最も注目される気鋭の哲学者、待望の初対談集
第一線で活躍する論客たちと、哲学、文学、社会、精神医学、サブカルチャーなどを横断し、現代の問題を縦横無尽に語りつくす。思考の前衛がここにある!
【目次】
序文
Ⅰ 思弁的実在論
1 思弁的転回とポスト思考の哲学
×小泉義之
離散的世界/主体
因果性と神経症
デジタル文化と切断の魅惑
(無)関係性の記述
第四世界、あるいは死者の復活
思考の孔
無限/有限
2 ポスト・ポスト構造主義のエステティクス
×清水高志
切断と(無)関係性
この世界の豊かさ共-不可能性
ノワーズな具体性と文体の問題
往還か、複数の一方向のすれちがいか
「飛ばない飛行機」
3 思弁的実在論と新しい唯物論
×岡嶋隆佑
SR/NMのコンステレーション
モノそれ自体の豊かな/不気味なポテンシャル
「減算と縮約」とハイパー・カオス
「亡霊のジレンマ」と神の不在
潜在性、あるいは非確率論的偶然
時代の不安との共振――やさしさのNM、残酷さのSR
4 権威(オーソリティ)の問題――思弁的実在論から出発して
×アレクサンダー・ギャロウェイ
質問1
質問2
質問3
質問4
Ⅱ 現代について
5 装置としての人文書――文学と哲学の生成変化論
×いとうせいこう
人文書とは、頭にプラグインする「装置」だ
いとうせいこうによる「接続過剰」体験
『動きすぎてはいけない』は千葉自身の悪魔祓いの本だった
一六年間の「切断過剰」からの帰還
関係はすべてフィクションである
書物と読者の関係は生成変化する
6 中途半端に猛り狂う狂気について
×阿部和重
蜘蛛からダニへ
「中途半端な狂気」という問題
紋切り型の記号に対抗する
人間のトラブルが持つ冗長性
新しいゲームボードを作りたい
7 「後ろ暗さ」のエコノミー――超管理社会とマゾヒズムをめぐって
×墨谷渉
×羽田圭介
誰が行為を見るか
世界を「別様に」楽しむ
「これは小説です」の機能
8 イケメノロジーのハードコア
×柴田英里
×星野太
「イケメン」の祖型
偏差の氾濫
まなざしを引き受ける
イケメンは作れる
ポスト・イケメン
9 ポスト精神分析的人間へ――メンタルヘルスの時代の〈生活〉
×松本卓也
臨床と人文知のいま
なぜ「分裂病」だったのか
「ゼロ年代」思想とアスペルガー症候群
メンタルヘルスの時代
〈生活〉とは何か
偶然性に対する感性
ポスト精神分析的人間
セクシュアリティの行方
他者を了解する
10 絶滅と共に哲学は可能か
×大澤真幸
×吉川浩満
歴史の偶然性とゲームの切断
絶滅と共に哲学は可能か
「不可能なもの」としての外部の絶滅
神の死の後に留まること
究極の「制度の他者」としての絶滅
絶滅と共にある利他性
「すべてではない」潜在性の次元としての外部
初出一覧
[著者] 千葉雅也(ちば・まさや)
1978年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。哲学、表象文化論。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。著書に『動きすぎてはいけない――ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(河出書房新社、2013年/河出文庫、2017年)、『別のしかたで――ツイッター哲学』(河出書房新社、2014年)、『勉強の哲学――来たるべきバカのために』(文藝春秋、2017年)、『メイキング・オブ・勉強の哲学』(文藝春秋、2018年)。また訳書に『有限性の後で――偶然性の必然性についての試論』(共訳、人文書院、2016年)など。