定価2,640円(本体2,400円)
発売日2018年7月18日
ISBN978-4-7917-7087-8
サルはなぜ立ち上がったか
進化の謎・ヒト出現のきっかけとは何だったのか。言語能力などよりも、サルの祖先が両手を中空に掲げヨイショと立って歩き始めた瞬間こそが、人類誕生の最大局面だった。脳の発達を著しく促す直立歩行を進化の基本因とする、大胆華麗な推論による動物行動学の最新成果。
【目次】
序
はじめに 赤ん坊の歩み
二足歩行は奇妙
1 最初の一歩
歴史を歩く
2 こぶしで歩く
祖先たる類人猿/腕の動作/類人猿は、何を、なぜするのか
3 天国の歩行
移動の高い費用/人間の歩きかた/すべてはヒップにかかる/深く息を吸う/直立することの欠点/カーブを投げる/頭を冷やす
4 拡張された家族
ジュラ紀の教訓/二足動物園/逆行進化?/頑丈な世界観
5 みんなルーシーが好き
数あるうちの一つ/人類のための生息環境/ルーシーの人生/巣の卵
6 何のために立つのか
最初の歩み
7 肉を探し求めて
チンパンジーから得る手がかり/肉とジャガイモ/二ステップの歩み
8 よりよい二足動物
ネアンデルタール人――確かに人類/アフリカからオリエントへ/イヴは歩いてエデンを出たのか/移住者たち
9 スカイウォーカー
参考文献 索引
[著者]クレイグ・スタンフォード(Craig Stanford)
南カリフォルニア大学教授(生物学、人類学)。アフリカ、アジアそして中南米で、類人猿やサルのフィールド研究を行う。邦訳書に『狩りをするサル』(青土社)。最新刊に、The New Chimpanzee,Havard Univ. Press,2018.
[訳者]長野 敬(ながの・けい)
生物学者。著書に『生物学の旗手たち』(講談社)『進化論の螺旋階段』(青土社)ほか。
[訳者]林 大(はやし・まさる)
主な訳書に、J.D.バロー『天空のパイ』(みすず書房)、同『宇宙論大全』、P.ボール『かたち』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)ほか。