定価3,080円(本体2,800円)
発売日2018年7月21日
ISBN978-4-7917-7086-1
変革が実際には起こりませんようにと願う左翼リベラル派へ
「思考とは絶望する勇気である」
ドナルド・トランプ対ヒラリー・クリントン、EU離脱「賛成」対「反対」、原理主義対ロシア……用意された選択肢のどちらか一方の側に立つのではなく、「どちらも悪い!」と言うこと。この先何をすべきか分からず途方に暮れること。われわれはそこから始めよう。
【目次】
序 論――『V フォー・ヴァンデッタ パート2』
第一部 グローバル資本主義の浮き沈み
第一章 グローバル資本主義とその心地わるさ
第二章 シリザ、あるいは出来事の影
第三章 宗教とその心地よさ
第二部 イデオロギーの影絵芝居
第四章 「テロリストの脅威」
第五章 性的なことは(非)政治的なこと
第六章 ポピュリズムの誘惑
フィナーレ――多中心的世界におけるグローバル警察官の孤独
原注
訳者あとがき
主要人名索引
[著者] スラヴォイ・ジジェク(Slavoj Žižek)
1949年スロヴェニア生まれ。哲学者。リュブリアナ大学社会学・哲学研究所上級研究員。ラカン派精神分析学と共産主義を武器に、哲学や政治理論における新地平を切り拓き、文学や映画を縦横無尽に論じている。
[訳者] 中山徹(なかやま・とおる)
1968年茨城県生まれ。専門はイギリス文学。一橋大学大学院言語社会研究科教授。単著『ジョイスの反美学』(彩流社)のほか、『脆弱なる絶対』『操り人形と小人』『暴力:6つの斜めからの省察』(いずれも青土社)などスラヴォイ・ジジェクの翻訳を多数手掛ける。
[訳者] 鈴木英明(すずき・ひであき)
1962年栃木県生まれ。専門はイギリス文学。昭和薬科大学教授。訳書にスラヴォイ・ジジェク『大義を忘れるな』(共訳)、ガヤトリ・スピヴァク『ナショナリズムと想像力』(ともに青土社)などがある。