定価1,540円(本体1,400円)
発売日2018年6月27日
ISBN978-4-7917-0351-7
バーチャルYouTuberとは何か?
タレントの新しい形式のひとつとして「YouTuber」というものが確立されつつある。「バーチャルYouTuber」とは3DCGのアバターを介してその名のとおり「YouTuber」としての配信を行う架空のキャラクター群を指す。そこにはインターネットにおける素人のタレント化とVRやAI以降のキャラクター文化の結びつきが生じているのではないだろうか。いまもっとも先鋭な文化の様態に迫る特集号。
【目次】
■私が出会った人々*31
故旧哀傷・出英利 / 中村稔
■詩
フー・アー・ユー / 岩倉文也
特集*バーチャルYouTuber
■バーチャルYouTuberとの遭遇
シンギュラリティと絆と愛――人間とバーチャルYouTuberが出会うとき / キズナアイ(聞き手=編集部)
輝夜月と仮想世界に! / AO
VTuberは、世界に向かってAIを叫ぶ / 小林信行
バーチャル化する人の存在――VTuberの来し方、行く末 / 広田稔
ヤンキーが加藤ローサにファンレターを出していたことに絶望したけど安心してください。Vチューバーなら大丈夫です。 / 海猫沢めろん
■実質的な“わたし”たち
委員長は美少年の夢を見るか? / 届木ウカ+月ノ美兎
個人バーチャルYouTuberという「自身のイデア」――自己の再出産と魂の交歓 / 届木ウカ
「声」という商品のパッケージとしてのVTuber / 皇牙サキ
きっかけ/気づき/直球玉/得たものと失ったもの / 月ノ美兎
■見るものと見られるもの
にじさんじ公式ライバーたちの実質的現実(バーチャルライブ) / 泉信行
月ノ美兎は水を飲む / 新八角
潜在的なあなた、ひとりで / 原島大輔
極私的仮想存在者作業日報 / 小林銅蟲
■観測者と存在者
セクシー系VTuberが語る「VTuberと量子力学」 / 万楽えね
バーチャルなバーチャルと、ノット・バーチャルなバーチャル / 赤月ゆに
■#VTuber学会
バーチャルYouTuberの三つの身体――パーソン、ペルソナ、キャラクタ / 難波優輝
なぜ『ユリイカ』はYouTuber特集ではなくVTuber特集を出すのか? / 竹本竜都
バーチャルYouTuberとコミュニケーション・データベース / 谷島貫太
バーチャルYouTuberミーム論 / 木村すらいむ
■差異と反復
周回のその先に――バーチャルYouTuberの分岐点をめぐって / さやわか+ばるぼら+黒瀬陽平
自律冥界――或いはオートマート/オートクトン / 丹生谷貴志
キャラクター・ギークカルチャー・バーチャルYouTuber / 松下哲也
縫い付けられた声 / 黒嵜想
■Virtual Ethics
新しい遊びのつくり方 / みゅみゅ
ごく主観的な話 / じーえふ
くまーめいど、バーチャルをやる / 窓ハルカ
二一世紀の可愛い機械のトルコ人たち / 久木田水生
虚構世界のキャラクターの人権とVTuberの人権にかんする覚書 / 藤田祥平
ヴァーチャルなキャラクターの操演と動物性についての試論 / 猪口智広
■過去と速度
バーチャルYouTuber略史 / にゃるら
■今月の作品
まるらおこ/吉岡瑠璃/ゆずりはすみれ/Resu/森田 直
選=水無田気流
■われ発見せり
二〇一〇年代、セルフィーもいいけどフーディーもね / きりとりめでる
書容設計 editorial design = 羽良多平吉+えほんごラボ heiQuiti HARATA @ EDiX with ehongoLAB.