ル・コルビュジエがめざしたもの

-近代建築の理論と展開-

五十嵐太郎 著

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ル・コルビュジエがめざしたもの

定価2,860円(本体2,600円)

発売日2018年7月24日

ISBN978-4-7917-7085-4

明日われわれはどこに住むのか
世界文化遺産登録のル・コルビュジエ作品群は、絢爛としてわれわれを挑発し続ける――。合理性・機能性に富むデザインばかりか、広大な都市計画も射程に世界を震撼させた「近代建築の原則」の革新性。その大胆でダイナミックな展開を、建築史・建築批評の第一人者が果敢に現場踏査する。

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【目次】

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1.ル・コルビュジエは何者だったのか?
2.ル・コルビュジエと日本 


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ル・コルビュジエがめざしたもの
1.歴史の変わり目に飛翔するル・コルビュジエ 
2.都市計画という新しい問題系 
3.旅行が建築家に与えた影響 
4.メディア・アーキテクトの誕生 
5.プロモーション・ビデオとしての『今日の建築』 
6.ル・コルビュジエを撮影した写真家たち――ルネ・ブッリを中心に
7.ル・コルビュジエと身体イメージの行方 
8.ルクーからル・コルビュジエまで――魔術的建築家たち 

作品
9.空中浮遊する住宅――サヴォア邸 
10. インドへの贈り物――繊維業者会館 
11. 建築と音楽の交差――フィリップス館
12. 空間をつくる屋根――ル・コルビュジエ・センター 
13. モダニズム受容の記念碑――国立西洋美術館 
14. モダニズムとパラモダンをつなぐ船――アジール・フロッタン 

言説
15. 『建築をめざして』を読む――新しい時代の原理を提示した宣言の書  
16. ル・コルビュジエをめぐる新世紀の言説 
17. 過去の素描、色彩の鍵盤 
18.『世界遺産 ル・コルビュジエ作品群』を読む 

ル・コルビュジエをめぐる女たち
19. ふたりのための建築レッスン――E.1027 
20. 再評価されるアイリーン・グレイ 
21.『シャルロット・ペリアン自伝』を読む―20世紀モダン・デザインの証言 


―――
日本のモダニズム
1. 日本の現代建築とル・コルビュジエ 
2. 鎌倉近代美術館が誕生した一九五〇年代を振り返る 
3. 前川國男の怒り 
4. 丹下健三がもたらしたもの――その作品と門下生 
5. 戦後公共庁舎のかたち 
6. 見えない廃墟――建築のシンボル性について 
7. 近代日本における慰霊の建築と空間 
8. スローアーキテクチャーの歩み――代官山ヒルサイドテラス 
9. モダニズムを更新する谷口吉生 
10. 空間論としての日土小学校 
11.最小限住居から九坪ハウスへ
12. 一九五〇年代の国鉄建築はいかに優れていたか 
13. 東京タワーが意味するもの


―――
海外のモダニズム
1. 建築家R氏の部屋――テラーニの現代性を思考するためのモノローグ
2. 幽霊のような建築――バルセロナ・パヴィリオン 
3. 超豪邸としての近代建築――トゥーゲンハット邸 
4. 時代を超越するプレチニック 
5. ガウディ再訪 
6. 北欧の曲線デザイン――建築を聴くこと 
7. 北欧の建築を聴く
8.奇蹟の光――キンベル美術館 
9. ピロティ変奏曲 
10. 地上から切り離されたユートピア 
11. インドネシアのトロピカル・モダニズム 


―――
モダニズムの理論とその限界
1. 建築理論の系譜 
2. 近代建築を広報した男――ジークフリード・ギーディオン 
3. 起源への問いを通して近代を思考する歴史家――ジョセフ・リクワート
4. 生き生きとした日本の建築史――太田博太郎 
5. デザイナーズ住宅批判の向こうにある社会革命――西山卯三
6. ジェイコブスと都市論の転回 
7. ポストモダン建築論からジェイコブスを斜め読みする 
 

あとがき 

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[著者] 五十嵐太郎(いがらし・たろう)

1967年フランス・パリ生まれ。東京大学工学系大学院建築学専攻修士課程修了。博士(工学)。専攻は建築史。現在、東北大学大学院工学研究科教授。2008年ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展日本館コミショナーを務める。主な著書に、『日本建築入門』(ちくま新書)、『現代建築に関する16章』(講談社現代新書)、『戦争と建築』(晶文社)ほか。編書に『見えない震災』(みすず書房)。