定価1,540円(本体1,400円)
発売日2018年5月28日
ISBN978-4-7917-0349-4
最新監督作品『犬ヶ島』、5月25日(金)全国ロードショー
”犬インフルエンザ”の大流行によって犬ヶ島に隔離されてしまった愛犬を探す少年と犬たちの壮大な物語を描いた新作『犬ヶ島』。本作は第68回ベルリン映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞。日本公開を機に、この愛すべき奇才・ウェス・アンダーソンの魅力に改めて迫ってみたい。
【目次】
■『犬ヶ島』への冒険
日本文化から喧騒と沈黙を学ぶ / ウェス・アンダーソン(聞き手・構成=立田敦子)
私たちはみんな動物であり、変わり者である / ティルダ・スウィントン(聞き手・構成=中村明美)
あのころ想像した未来に僕らはいる / 野村訓市(聞き手=編集部)
このホークス的なコメディは、文字通りの傑作である――ウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』 / 蓮實重彦
I won’t hurt you.――『犬ヶ島』と野蛮 / 篠儀直子
同期の快楽――『犬ヶ島』によせて / 須藤健太郎
襖絵から犬が飛び出す――『犬ヶ島』で鼻面を愛でる / 郷原佳以
イヌは防衛されなければならない――『犬ヶ島』覚え書き 吉川浩満
いいことばかりは続かないとしても / 大崎清夏
犬のことば――『犬ヶ島』の会話 / 細馬宏通
ウェスヶ島と周囲の群島たち、もしくはアニメーションの新たな王道 / 土居伸彰
■対談#01
アニメーションという旅路【stray】の途中で / 細馬宏通+土居伸彰
■対談#02
テキサスの謎――ウェス・アンダーソンのサスペンス性をめぐって / 蓮實重彦+三浦哲哉
■『グランド・ブダペスト・ホテル』の革新
『グランド・ブダペスト・ホテル』公開時インタビュー / ウェス・アンダーソン+レイフ・ファインズ(聞き手・構成=金子裕子)
「失われた世界」への旅――『グランド・ブダペスト・ホテル』についての四つの断章 / 篠儀直子
感嘆すべき優美さをもって――ウェス・アンダーソンとフランソワ・トリュフォー / 大久保清朗
移動と平面――ウェス・アンダーソンと映画史 / 渡邉大輔
メリエス的な、フィクションの記述 / 三浦哲哉
ファンタスティック Mr. アンダーソンの後悔と正義 / 佐々木敦
八時間のスープ――友人ウェスと、撮影秘話 / 野村訓市(聞き手=編集部)
■宝箱のなかの物語
理性から野生へ――アニメーションの動物的無時間の世界 / 山村浩二
イッツ・ア・ワイズ・チャイルド――あるいは、あらかじめ与えられたものたちの苦悩 / 高城晶平
はしごして、うぇすして、さかのぼって。 / 藤田貴大
ちいさな世界を覗く魔法 / 名久井直子
映画における服飾的細部と着崩される文体【スタイル】 / 小澤京子
方法としての「父性」 / 斎藤環
コンパートメント――ウェス・アンダーソンの箱 / 小澤英実
ジングル・ジャングル・モーニング――ウェス・アンダーソンのサウンドデザイン / 大和田俊之
ディス・イズ・アワー・ランド!――ウェス・アンダーソンのマスタープラン / 宮代大嗣
■資料
ウェス・アンダーソン フィルモグラフィ / 渡邉大輔