定価2,640円(本体2,400円)
発売日2018年5月25日
ISBN978-4-7917-7069-4
日本は西洋に何を見、西洋は日本に何を見たのか。
激動の日本美術史、近代美術と文学、西洋のジャポニズム、現代のデザイン、写真、和洋住居空間まで、芸術家たちの知られざるエピソードをまじえ、日本と西洋の美術/芸術観を比較し、その文化的伝統や美意識の差異を複眼的かつ大胆に説き起こし、美の歴史を読みかえる。
【目次】
1.日本と西洋
マスターピースと「名物」――芸術における価値の創出
聖地と霊場
居住空間における日本的なもの――西洋建築と比較して
日本美術における言葉とイメージ
ヴィクトリア朝美術と明治文芸
2.江戸から明治へ
「浪裏」をめぐる幻想
江戸東京名所考
見直される歴史
明治期歴史画論序説
帝室技芸員と明治期の美術保護政策
岡倉天心と日本美術院
3.画家・写真家・デザイナー
和洋二筋道の画家 川村清雄
亡き妻への相聞歌
児島虎次郎の光と色彩
アカデミー・ジュリアンと徳永仁臣
佐伯芸術における西欧と日本
光と影の詩人 アーネスト・サトウ
田中一光と日本文化の最良の部分
4.文学と美術
矢代幸雄『世界に於ける日本美術の位置』
和辻哲郎『イタリア古寺巡礼』
江藤淳『漱石とアーサー王伝説』
猪瀬直樹『ミカドの肖像』
佐藤道信『〈日本美術〉誕生』
遠山一行『マチスについての手紙』
森山泰昌『芸術家Mのできるまで』
あとがき
[著者] 高階秀爾(たかしな しゅうじ)
1932年、東京生まれ。美術史家。2012年、文化勲章受章。国立西洋美術館館長などを経て、現在は岡山県倉敷市・大原美術館館長。主なる著書に『名画を見る眼』(岩波新書)、『ルネサンスの光と闇』(中公文庫)、『バロックの光と闇』(講談社学術文庫)、『西欧絵画の近代』、『日本絵画の近代』、『肖像画論』(ともに、青土社)ほか多数。