定価3,080円(本体2,800円)
発売日2018年4月24日
ISBN978-4-7917-7060-1
密林に隠された荘厳な石の遺跡をもとめて
古代の遺跡に見せられた二人の男は、いつしか固い絆で結ばれて、それぞれの夢を中央アメリカの熱帯雨林に見出した。猛烈な暑さ、すべてを包む湿気、いたるところから襲ってくるハエや蚊や毒ヘビ、マラリアや黄熱病の焼けるような苦しみ、石だらけの道や行く手を阻む沼地、そして遺跡を守るようにして無限に繁茂する植物たち。それは、まさに命をかけた冒険だった。マチュピチュ発見よりも60年以上前に人類がはたした壮大な足跡をたどる。オリジナル図版多数。
【目次】
序
プロローグ
Ⅰ 探険
1 一八三九年、南へ
2 川上へ
3 ミコ山
4 パスポート
5 風のような猿たち
スティーブンズ
Ⅱ 政治
6 廃墟
7 カレーラ
8 戦争
9 マラリア
10 目前に迫った危機
11 再会
キャザウッド
原注
[著者] ウィリアム・カールセン(William Carlsen)
作家。カリフォルニア大学バークレー校を卒業(修辞学専攻)。『サンフランシスコ・クロニクル』紙のレポーター(取材記者)を20年間務める。その間、1999年にピューリュツァー賞の「解説報道部門」でファイナリストとなる。『ニューヨーク・タイムズ』紙にも記事を送り、カリフォルニア大学バークレー校ではジャーナリズムを教えた。本書は第1作。妻とともにアンティグア・グアテマラに長年逗留し、調査取材した。現在は2人でカリフォルニア州ソノマ郡に住む。
[訳者] 森夏樹(もり なつ)
翻訳家。訳書にT・ケイヒル『ギリシア人が来た道』、 R・L・フォックス『アレクサンドロス大王』、G・J・ライリー『神の河 キリスト教起源史』、Ch・ウッドワード『廃墟論』、J・ターク『縄文人は太平洋を渡ったか』、W・クラッセン『ユダの謎解き』、R・タトロー『バッハの暗号』、S・C・グウィン『史上最強のインディアン コマンチ族の興亡』、M・アダムス『マチュピチュ探検記』、『アトランティスへの旅』、S・ミズン『渇きの考古学』、M・ブラウディング『古地図に憑かれた男』、R・カーソン『海賊船ハンター』、(以上、青土社)、Tジャット『記憶の山荘■私の戦後史』(みすず書房)、Ph・ジャカン『アメリカ・インディアン』(創元社)ほか。