クローゼットの認識論 新装版

-セクシュアリティの20世紀-

イヴ・コゾフスキー・セジウィック 著,外岡尚美 訳

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Google+でシェア
クローゼットの認識論 新装版

定価3,080円(本体2,800円)

発売日2018年5月25日

ISBN978-4-7917-7070-0

異性愛主義はいかに発明されたか
同性愛を異質化し、周縁へと追いやる異性愛主義は、19世紀末に始まったものにすぎない。メルヴィル、ニーチェ、プルーストなどを読み解きながら、その中にホモ/ヘテロセクシュアルの分断を不可能にする揺れを発見し、セクシュアリティの混沌を見つめる。その後の文学研究に圧倒的な影響を与えた、フェミニズム/クィア理論の最重要書。

line2.gif

【目次】

序論 公理風に

第1章 クローゼットの認識論

第2章 二項対立論(一) 
『ビリー・バット』――ホモセクシュアルのいなくなった後で知識/無知、自然/不自然

都会風/田舎風、純真無垢/集団への加入、成人男性/少年
認識/妄想症、秘密/発覚
規律/テロリズム
マジョリティ/マイノリティ、公平/不公平
公的/私的
誠実性/感傷性
健康/病気
健全さ/頽廃、ユートピア/終末論

第3章 二項対立論(二)
ワイルド、ニーチェ、男の身体をめぐるセンチメンタルな関係

ギリシア的/キリスト教的
センチメンタル/アンチ・センチメンタル
直接性/代理性、芸術/キッチュ
同一の/異なった、ホモ/ヘテロ
抽象化/形象化
創造/識別、健全さ/頽廃
自由意志/中毒、国際的/国民的
健康/病気

第4章 クローゼットの野獣
ヘンリー・ジェイムズとホモセクシュアル・パニックの書

男のホモセクシュアル・パニックを歴史化する
ミスター・バチェラーをご紹介
ストレートに読むジェイムズ
密林の掟

第5章 プルーストとクローゼットの見せ物
 

謝辞
訳者あとがき
新装版への訳者あとがき――情動研究の先駆的な知
索引

line2.gif

[著者] イヴ・コゾフスキー・セジウィック(Eve Kosofsky Sedgwick)

専門はジェンダー研究/クィア理論。ボストン大学、アマースト大学、デューク大学、ニューヨーク市立大学大学院センターなどで教鞭をとった。代表作にBetween Men: English Literature and Male Homosocial Desire(『男同士の絆――イギリス文学とホモソーシャルな欲望』上原早苗、亀澤美由紀訳、名古屋大学出版会、2001年)がある。

[訳者] 外岡尚美(とのおか なおみ)

専門はアメリカ文学/アメリカ演劇。現在、青山学院大学文学部教授。著書に『ギリシア劇と能の再生』(共著、水声社、2009年)、『〈都市〉のアメリカ文化学』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)、『戦争・詩的想像力・倫理』(共著、水声社、2016年)などがある。