現代思想2018年3月臨時増刊号 総特集=現代を生きるための映像ガイド51

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現代思想2018年3月臨時増刊号 総特集=現代を生きるための映像ガイド51

定価1,650円(本体1,500円)

発売日2018年2月14日

ISBN978-4-7917-1360-8

いま、映像は世界をどのように切り取っているのか――
日々届けられる映画/映像作品をとおして、私たちは現代世界のリアルへといかにアクセスできるだろうか。気鋭の論者/目利きたちが選ぶ、世界を読み解くための映画・映像作品ガイドブック。

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【目次】

■インタビュー
原一男 / 映画は人間の感情を描く――『ニッポン国VS泉南石綿村』監督インタビュー
富田克也+相澤虎之助 / 生きるための作戦、あるいは映画製作

■社会の分断
森達也 / 『手紙は憶えている』――被害と加害のパラドックスの見事な反転
雨宮処凛 / 『ホームレス ニューヨークと寝た男』――「自由の代償」を問う
木村草太 / 『フェリックスとコーラ』――「普通の生活」に差し伸べられる手
信田さよ子 / 『息もできない』――国家の暴力・家族の暴力
海猫沢めろん / 『夜間もやってる保育園』――壁のあちら側
篠原雅武 / 『ぼくらの家路』――「もし、そこな少年、心で泣いておるな? 何があった?」「お母さんを探しているの」
合田正人 / 『顔のないヒトラーたち』――惑いのフモール

■現代の深層
杉田俊介 / 『オカルト』――白石晃士と神的映画
今野晴貴 / 『NHKスペシャル「巨龍中国」シリーズ』――「統治されやすい者」への変容
藤田直哉 / 『ワールド・ウォーZ』――ポスト・トゥルースはゾンビが担う
樋口泰人 / 『レディ・ガイ』――いつか何かが変わることがすでに起こってしまった今
伊藤亜紗 / 『サウダーヂ』――盆地の中の叙事詩

■視点の更新
安藤礼二 / 『坂本龍一 PERFORMANCE IN NEW YORK: async』――音響と映像の間で
吉川浩満 / 『猿の惑星』――危険な知識にかんする二種類の問い
佐々木敦 / 『鳳鳴 中国の記憶』――第三の眼
廣瀬純 / 『息衝く』――新たなロングショットの時代のために
河本英夫 / 『マルホランド・ドライブ』――リヴァースド・ツイン
渡邉大輔 / 『ジョギング渡り鳥』――キャメラアイの多視点化=多自然化
今村純子 / 『秋刀魚の味』――彼女は虚空に語りかける
橋本一径 / 『美女と野獣』――『美女と野獣』における「母殺し」

■世界から
酒井隆史 / 『月夜釜合戦』――NDSから『月夜釜合戦』へ
四方田犬彦 / 『ファンさん』――進行中の死を撮る
沼野充義 / 『ラブレス』――世界は謎に満ちている 「愛なき」世界からのメッセージ
岡真理 / 『11'09"01/セプテンバー11』――オリーブの枝を携えた鳩としての
新田啓子 / 『私はあなたの二グロではない』――アメリカがグレートであったのはいつだったか
仲里効 / 『ウンタマギルー』――異貌の沖縄、繁茂する夢
陣野俊史 / 『希望のかなた』――ユーモアとメランコリーと現実
新城郁夫 / 『エレニの旅』――沖縄が召還する難民の世界史
鷲谷花 / 『九月二十八日・晴れ』――イン・リャン(應亮)と二一世紀中国・香港のインディペンデント映画
金子遊 / 『太陽花占拠』――ソーシャル・デザインとしてのオキュパイ
真島一郎 / 『わたしは幸福(フェリシテ)』――音にひらかれる夜想、キンシャサから
東琢磨 / 『侠女』――東/南アジアの武侠=パンク

■技術・生命・情報
倉谷滋 / 『ブレードランナー』――デッカードは眠らない 非生物学的『ブレードランナー』考
伊藤守 / 『ゼロの未来』――ビッグデータ時代の「幸福」とは
ドミニク・チェン / 『Everything is a Remix Remastered』(2015 HD)――言語と映像の共進化
五十嵐太郎 / 『Forensic Architecture』――事件の建築を再現する
粥川準二 / 『ガタカ』――ゲノム編集時代の「属性」と「能力」
郷原佳以 / 『ミッション:インポッシブル ロング・ネイション』――「僕がメモリだ」 メモリをめぐる「除籍者」たちの闘い

■回帰する過去
管啓次郎 / 『ローカル・ヒーロー』――そのころはじまった過去が
斎藤環 / 『この世界の片隅に』――「世界観のモンタージュ」としてのキャラクター
田崎英明 / 『Nas タイム・イズ・イルマティック』――ストリートのサヴァイヴァル=死後の生について
三田格 / 『そこのみて光輝く』――犬は吠えるが家父長制は進む
太田純貴 / 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』――時間のショート・サーキットに逆捩じを

■未来を探して
五野井郁夫 / 『S/N』――連帯を夢見る身体
宮本省三 / 『ちづる』――「愛の知性」によって、意識のすれ違った人間と共に生きる
都甲幸治 / 『モバイルハウスのつくりかた』――革命後の世界を生きる
森元斎 / 『バンコクナイツ』――チョッケツ、アジア 空族
岩川ありさ / 『恋のボルバキア』――ままならなさを沈黙させることはできない