最初に父が殺された

-あるカンボジア人少女の記憶-

ルオン・ウン 著,小林千枝子 訳

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最初に父が殺された

定価2,640円(本体2,400円)

発売日2017年12月21日

ISBN978-4-7917-7035-9

全米ベストセラー、アンジェリーナ・ジョリーがNetflixオリジナルで映画化
カンボジアの首都プノンペンで、両親と6人のきょうだいと共に幸せに暮らしていた少女・ルオン。1975年4月、ポル・ポト率いるクメール・ルージュが首都を制圧、豊かな暮らしは一変し、飢えと虐殺の恐怖に怯える日々に投げ出される。家族の離散、労働収容所での悲惨な生活、子供兵士としての訓練…5歳のルオンは、その目で何を見たのか——。
過酷な時代を痛々しいほど鮮やかに描く少女の手記、待望の復刊

「一九七五年から一九七九年にかけて、クメール・ルージュは当時のカンボジア国民の約四分の一にあたる推定二〇〇万人を処刑、飢餓、病気、強制労働によって組織的に殺害した。本書は私自身と私の家族の生存をかけた歴史をつづったものだ。体験は私個人のものであるが、何百万のカンボジア人のものと重なるだろう。あなたがこの時代のカンボジアに生まれていたとしたら、これはあなたの歴史になったかもしれない。」(「著者の覚え書き」より)

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【目次】

著者の覚え書き

プノンペン(一九七五年四月)
ウン一家(一九七五年四月)
プノンペン陥落(一九七五年四月一七日)
脱出(一九七五年四月)
七日間の行進(一九七五年四月)
クラントロップ(一九七五年四月)
待機所(一九七五年七月)
アンルントモール(一九七五年七月)
ローリアップ(一九七五年一一月)
労働キャンプ(一九七六年一月)
新年(一九七六年四月)
キーヴ姉さん(一九七六年八月)
お父さん(一九七六年一二月)
母の小猿ちゃん(一九七七年四月)
村からの逃亡(一九七七年五月)
幼い兵士たち(一九七七年八月)
宝石と鶏肉の交換(一九七七年一一月)
最後の集まり(一九七八年五月)
崩れ落ちた最後の壁(一九七八年一一月)
ユーンの侵攻(一九七九年一月)
最初の里親(一九七九年一月)
飛び交う銃弾(一九七九年二月)
クメール・ルージュの攻撃(一九七九年二月)
公開処刑(一九七九年三月)
バッデンへの帰還(一九七九年四月)
カンボジアからベトナムへ(一九七九年一〇月)
ラムシン難民キャンプ(一九八〇年二月)

エピローグ
解説
カンボジア略史
訳者あとがき

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[著者] ルオン・ウン(Loung Ung)

作家、講演者、社会活動家。1970年4月17日、カンボジアのプノンペン生まれ。80年に母国の戦火を逃れてアメリカに脱出し、ヴァーモント州で育つ。ベトナム退役軍人アメリカ基金のプログラム「地雷廃絶キャンペーン」のスポークスパーソンを務めた。現在、夫とともにオハイオ州クリーブランドに在住。アメリカとカンボジアを行き来しながら精力的に地雷廃絶、人権、差別などをテーマにした社会活動に取り組んでいる。
2000年に出版された本作『最初に父が殺された あるカンボジア人少女の記憶』、2005年の『ラッキー・チャイルド』、2012年の『ルル・イン・ザ・スカイ』はルオン・ウンのメモワール三部作。『最初に父が殺された』は2017年にアンジェリーナ・ジョリー監督によってクメール語で映画化された。


[訳者] 小林千枝子(こばやし・ちえこ)

1970年、上智大学卒業。ニュース週刊誌『ニューズウィーク日本版』の創刊号から翻訳・編集を担当。主な訳書に『星に憑かれた男』(青山出版)、『スペイン人のまっかなホント』(マクミラン ランゲージハウス)、『ミシェル・オバマの言葉』(ワニブックス)など。