ゲオルク・トラークル

-生の断崖を歩んだ詩人-

リューディガー・ゲルナー 著,中村朝子 訳

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ゲオルク・トラークル

定価本体3400円+税

発売日2017年11月24日

ISBN978-4-7917-7022-9

暗い時代に生き、生の深淵からの叫びをうたった詩人の魂の軌跡
第一次世界大戦に向かう旧世界ヨーロッパの没落のただ中を生き、罪の意識に苦悩し、存在することの痛みをうたった詩人トラークル。言葉の音楽的な響き、独特な色彩にいろどられた幻覚、救済を求める絶望的な叫び。その作品と生涯を自在に行き来しながら、リルケやヴィトゲンシュタインを驚嘆させ、ハイデガーを深い哲学的思索に誘ったその詩作の真髄に迫る第一級の評伝。

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【目次】

三和音で響く序
日記から/トラークルに近づく幾つかの道/…そして一つの皮切りとなる「デ・プロフンディス」

Ⅰ 終局的な始まり――『一九〇九年集』
トラークルを取り巻く抒情詩的な雰囲気/『一九〇九集』あるいは「ぼくの幼い日々で消え去らないもの」

Ⅱ 「酩酊の中でお前はすべてを理解する」 トラークルの有毒な創作

Ⅲ 境界を越える試み ウィーン・インスブルック・ヴェニス・ベルリン それとも至る所がザルツブルクなのか
トラークルの「ザルツブルク詩」/政治的なトラークルとは

Ⅳ 一九一三年『詩集』
前置き/『詩集』あるいは烏たちや鼠たちのいるロマンツェ

Ⅴ 詩的な色彩世界あるいは(詩の)「わたし」の問題
ハイデガーのトラークルを想う言葉とゴットフリート・ケラーとオスヴァルト・シュペングラーの色彩詩学/トラークルの言葉にどのように向き合うか/トラークルの「野外劇場」と詩的な配色の問題

Ⅵ 死に向かって詩作する。一つの自画像と「死んでいく者たちとの出会い」

Ⅶ 『夢のなかのセバスティアン』あるいは「悪の変容」
一人の死んでいない者のための墓標―少年エーリス/トラークルの夢の世界たち―様々な背景/「孤独な者の秋」と「死の七つの歌」

Ⅷ 「塀に沿って」。詩に描かれた世界の終末の様相
壊れた頌歌/ペーター、真っ暗な息子 トラークルの「戯曲断片」/壊れた悲歌、メランコリックな身振りそして他にも境界を行くこと/「啓示と没落」あるいは「わたし」の帰還

Ⅸ 生まれぬもののなかで後生に生き続ける
終わり、あるいはその後の幕開けに向かう最後のクレジットタイトル/後世に生き続けることが始まるとき/批判的な声たちと一つの逸脱する声/類例 フリードリヒ・C・ハインレ/フィナーレ/生まれぬもののなかに

附録 注/参考文献/写真クレジット/謝辞

訳者あとがき

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[著者] リューディガー・ゲルナー(Rudiger Gorner)

1957年ロットヴァイル生まれ。ロンドン大学クイーン・メアリー・カレッジの近代ドイツ文学および文化史の教授。著書に『ライナー・マリーア・リルケ』(二〇〇四)などがある。

[訳者] 中村朝子(なかむら・あさこ)

上智大学大学院ドイツ文学専攻・博士前期課程修了。上智大学文学部ドイツ文学科教授。訳書に、『トラークル全集』『パウル・ツェラン全詩集』などがある。