世界の終焉 新装版

-今ここにいることの論理-

ジョン・レスリー 著,松浦俊輔 訳

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世界の終焉 新装版

定価2,970円(本体2,700円)

発売日2017年11月22日

ISBN978-4-7917-7026-7

人類はいつ、どうやって絶滅するのか
核戦争、環境破壊、ウイルスなど、人類はさまざまな危険に脅かされ、いつ滅亡が訪れてもおかしくはない時代に生きている。論理と現状認識を駆使し、わたしたちが直面する未曾有の危機から、人類が生き延びるさまざまな可能性を徹底検証する。今も注目を集める問題を多数含み、「終末論法」や「絶滅」についての基本書として読み継がれる画期的な一冊の新装版。

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【目次】
 

序論 滅亡の危険性
カーターの終末論法/人類の生存に対する脅威/終末と人間原理/終末論法は簡単に論駁できるか/その他の反論の試み

1 戦争、汚染、病気
核爆弾/化学戦争、生物戦争/環境の悪化と人口危機/自然発生的な病気

2 その他の危険
彗星や小惑星の衝突/超新星、銀河中心の爆発、太陽面爆発/ブラックホールの爆発、ブラックホールの合体など/遺伝子工学/コンピューターによる災厄と、コンピューターによる人間の置換/ナノテクノロジーによって引き起こされる災厄/カオス理論家、カタストロフィ理論家などが探る危険/準安定「真空」の動乱/大気が発火する、クォーク物質ができる/新しいビッグバンを創造する

3 危険を評価する
リスク分析の一般的問題/終末の危険度を推定するうえで重要な因子/危険を比較し、全体としての危険度を推測してみる/決定論、非決定論、終末論法/終末論法を用いるにあたって推定された危険度を結合する

4 なぜ人間の歴史を延ばすのか
実在的な必要/どうして滅びてはならないのか

5 終末論法
猫の話/この論法が行なう人間原理的かつベイズ的推論/「終末論法」の計算/この論法への反論

6 論法の検証
終末論法――再提示と新しい見解/小さな部屋と大きな部屋/人間と言える範囲/後記/物理学者のための付記

7 囚人のジレンマと核報復
先制攻撃をしない――協調と囚人のジレンマ/反撃をしない――核による報復の是非

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[著者] ジョン・レスリー (John Leslie)

1940年生まれ。カナダの哲学者。カナダ・ゲルフ大学哲学科名誉教授。主著にValue and Existence (Blackwell, 1979)、Universes (Routledge, 1989)など、編著にThe Mystery of Existence (Wiley-Blackwell, 2013)などがある。

[訳者] 松浦俊輔(まつうら・しゅんすけ)
翻訳家。訳書にT・オンストット『知られざる地下微生物の世界』(青土社、2017)、J・ホールデン『暗号の数学』(青土社、2017)など多数。