移りゆく社会に抗して

-三・一一の世紀に-

村上陽一郎 著

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移りゆく社会に抗して

定価2,200円(本体2,000円)

発売日2017年7月22日

ISBN978-4-7917-7001-4

「想定外」は言い訳にならない。
福島の原発事故の前年まで、原子力安全・保安院に8年間参画した経験をいかに振り返るのか。そして事故後も「再稼働反対」に与しない真意とは――。三・一一以後だから、知識人は「想定」しなければならない。終わらない震災、急速に更新される科学、文系廃止に対峙する大学、揺らぐ生と死の倫理などについて、広い歴史的視野と深い知性で、流れに抗して書き記す。

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【目次】
 

第Ⅰ部 歴史の窓から見える〈科学〉
科学・技術の戦後七十年
科学の技術への接近と社会的責任
科学と宗教
やぶにらみ物理学の歴史
行列の話

第Ⅱ部 三・一一以後の〈安全〉とは
技術の継承と将来への展望
安全と安心
安全学の立場からみた震災報道
科学報道はどうか

第Ⅲ部 〈大学〉の過去・現在・未来
大学の変貌
競争的環境と学問
二十一世紀の大学教養教育
大学の将来

第Ⅳ部 〈生死〉を見つめて
「死後」のあり方
死後の世界
人間と自然との関わり
恵みの鉛
尊厳死・安楽死・PAD
平等の呪縛

あとがき
 

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[著者] 村上陽一郎(むらかみ・よういちろう)

1936(昭和11)年、東京生まれ。科学史家・科学哲学者。東京大学名誉教授。国際基督教大学名誉教授。文理を越境し、明晰なセンスで日本の科学史・科学哲学を牽引している。安全とリスクをめぐる総合研究として「安全学」を提唱。2015年に瑞宝中綬章を受章、広島市立大学名誉博士。
『人間にとって科学とは何か』(新潮社、2010年)、『エリートたちの読書会』(毎日新聞社、2014年)、『科学の本一〇〇冊』(河出書房新社、2015年)などの近著のほか、柿原泰・加藤茂生・川田勝編『村上陽一郎の科学論――批判と応答』(新曜社、2016年)がある。