不寛容な時代のポピュリズム

森達也 著

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不寛容な時代のポピュリズム

定価1,870円(本体1,700円)

発売日2017年5月25日

ISBN978-4-7917-6994-0

なぜ社会はこれほどまでに感情的になったのか。
フェイクが蔓延する時代に、各々は何を考え、どう行動すればいいのか。安保法制、選挙、東日本大震災から佐村河内氏に密着し話題を呼んだ『FAKE』、さらには大相撲からプロレスまで、多様なジャンルの出来事に裏の裏から斬りこみ、集団化がすすむ社会を真正面から活写したドキュメンタリー。

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【目次】
 

第一部 ポピュリズム時代のヒール&ヒーロー
二大政党制によって加速されるこの国のポピュリズム
大相撲夏場所、青い龍のマスクの力士が乱入⁉
ヒールを排除するこの国の世相
新日本プロレスに寄せて
正義を掲げ追い込んだ先に
捏造ではない。本当にあった日本兵の食人行為
間違ってはいけない。信仰は無慈悲で残虐、アンフェアだ
最優先すべきは命だ
偽りの「治安悪化幻想」を理由に、国の形が変わろうとしている。
「対テロ」多様な視点示せ
ムハンマドを揶揄、中傷することは表現の自由なのか
自発的プロパガンダの連鎖を斬って
ライク・ア・ローリング・ストーン
 

第二部 私的ドキュメンタリー史
ドキュメンタリーの地平
傷は残り、時おり疼く
後ろめたさが視界を変える
報道の現場に希望への意思は生まれたか
中間色の現実(リアル)のために
 

第三部 「虚飾」のなかの真実/「真実」のなかの虚飾
関サバと岬サバは何が違うのか
一〇〇円ショップと一〇〇円で一点の不思議な磁力
教えてください。ツイッターって何ですか?
放送の公共性という大いなる幻影
ドキュメンタリストが守るべき最後のルール
死刑の存廃 揺れてもいい
増殖を続けるアレフの信者数、そのからくりとは?
 

第四部 過剰な「安全」神話のなかで
ギョーザ事件の隠された真相に迫る
警戒信号が発動するとき
地下鉄サリン事件、判決を覆すかもしれない一通の手紙
地下鉄サリン事件がテロだったと誰が断言できるのか?
平田信初公判の日の夜に思ったこと
「事件」の特異性と普遍性を見つめて
九条の国、誇り高き痩せ我慢
我々は加害者の末裔である
戦争は自衛の暴走で始まる
もう投票しなくていい
「絶望しない国」で生きる、ということ
まだ絶望していないあなたへ
最後の希望は未来の絶望
 

あとがき——究極の集団化への欲動
初出一覧

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[著者] 森達也(もり たつや)

映画監督、作家。明治大学特任教授。1956年、広島県呉市生まれ。1986年、テレビ番組制作会社入社。その後フリーとなり、テレビドキュメント『ミゼットプロレス伝説~小さな巨人たち』でデビュー。オウム真理教を被写体とした『A』や『A2』を制作。2016年、作曲家・佐村河内守に密着した『FAKE』が話題となる。『放送禁止歌』(解放出版社)、『下山(シモヤマ・)事件(ケース)』(新潮社)、『死刑』(朝日出版社)、『同調圧力メディア』(創出版)、『希望の国の少数異見』(言視社)など著書多数。