定価5,280円(本体4,800円)
発売日2017年5月19日
ISBN978-4-7917-6987-2
〈近代〉誕生の神話を徹底検証
19世紀、パリ――。中央集権的な発展を遂げた大都市が、〈近代〉の幕を切って落とした。国家、金融、労働、ジェンダー、階級、消費など、〈近代〉の矛盾と背反が、新しく創られた〈空間〉を利用しつつ肥大化していく歴史を、あらゆる分野の文献を渉猟しつつ検証。マルクス主義を「空間の学」と接続させた社会経済地理学の第一人者が、強靭な知性で描き出した、「パリの地誌学」の一大メルクマール。
【目次】
序章 断絶としてのモダニティ
Ⅰ 表象 パリ一八三〇―一八四八
第1章 モダニティの神話 バルザックのパリ
第2章 政治的身体(政体)を夢見て 革命的政治とユートピアの企図 一八三〇年―一八四八年
Ⅱ 物質化 パリ一八四八――一八七〇
第3章 プロローグ
第4章 空間関係の編成
第5章 貨幣、信用、金融
第6章 地代と地主階級
第7章 国家
第8章 抽象的かつ具体的な労働
第9章 労働力の売買
第10章 女性たちの状況
第11章 労働力再生産
第12章 大量消費・スペクタクル・余暇
第13章 コミュニティと階級
第14章 自然との関係
第15章 科学と感情、モダニティと伝統
第16章 レトリックと表象
第17章 都市変容の地政学
Ⅲ コーダ
第18章 サクレ=クールのバシリカの建設
訳者あとがき
新装版のためのあとがき
参考文献
原注
索引
[著者] デヴィッド・ハーヴェイ(David HARVEY)
1935年、イギリス生まれ。社会経済地理学者。ジョンズ・ホプキンス大学教授、オックスフォード大学教授を経て、現在、ニューヨーク市立大学教授。
邦訳書に『新自由主義』『〈資本論〉入門』『反乱する都市』『コスモポリタニズム』(以上、作品社)などがある。
[訳者] 大城直樹(おおしろ・なおき)
1955年生まれ。専門は文化地理学。現在、明治大学文学部教授。
[訳者] 遠城明雄(おんじょう・あきお)
1962年生まれ。専門は人文地理学。現在、九州大学大学院人文科学研究院教授。