定価2,200円(本体2,000円)
発売日2017年4月25日
ISBN978-4-7917-6983-4
長州ファイブ、アインシュタイン、工部大学校、重力波検出、ニュートリノ……
科学界の第一線で活躍しつづけてきた著者が、社会の趨勢や制度の変化のなかで時代に寄り添いながら生きてきた「科学」の姿を描き出す。
【目次】
第1章 ニュートリノ「スーパーポジション」
第2章 工部大学校 後進国の先進性
第3章 重力波検出実験の社会科 久しぶりの米国
第4章 大戦のストレステスト 「理研百年」、高木貞治
第5章 「昭和反動」下の〝科学〟と〝科学的〟
第6章 占領下異物としての学術会議
第7章 アカデミックな職場の変容 大学院生事情の今昔
第8章 超新星爆発とSSC中止の間
第9章 アインシュタイン生誕一〇〇年と「改革開放」初期 周陪源と方励之
第10章 学校教育界と学問教育界 デューイからトランプまで
第11章 ソ連物理学の光芒 ランダウ‐リフシッツ
第12章 「国民国家」と科学 世界遺産・ニホニウム・単位名
あとがき
[著者] 佐藤文隆(さとう ふみたか)
1938年山形県鮎貝村(現白鷹町)生まれ。60年京都大理学部卒。京都大学基礎物理学研究所長、京都大学理学部長、日本物理学会会長、日本学術会議会員、湯川記念財団理事長などを歴任。1973年にブラックホールの解明につながるアインシュタイン方程式におけるトミマツ・サトウ解を発見し、仁科記念賞受賞。1999年に紫綬褒章、2013年に瑞宝中綬章を受けた。京都大学名誉教授。元甲南大学教授。著書に『量子力学のイデオロギー』、『量子力学は世界を記述できるか』、『科学と人間』、『科学者には世界がこう見える』、『科学者、あたりまえを疑う』(以上、青土社)、『職業としての科学』(岩波書店)ほか多数。