定価2,420円(本体2,200円)
発売日2017年4月25日
ISBN978-4-7917-6981-0
「奇跡」はほんとうにあるのか――
影と光のムラカミワールドの、さらに奥深くへ
デビューから最新作『騎士団長殺し』に至るまで、村上文学は何を描き出してきたのか。影/地震/暴力などの鍵概念に肉薄し、作家の全体像に迫る。物語に隠された〈偶然〉の連関を指し示す、これまで目にしたことのなかった村上春樹論。
【目次】
序章 「偶然」の扉を開ける
第1章 分身としての「影」に寄り添う
第2章 「壁」への抵抗
第3章 「地震」が呼び覚ますもの
第4章 圧倒的な「暴力」に立ち向かう
第5章 「ジャズ」と個の確立
第6章 鎮魂の物語として
あとがき
参考文献
[著者] 宮脇俊文(みやわき としふみ)
1953(昭和28)年、神戸市生まれ。成蹊大学経済学部教授。専門はアメリカ文学、比較文学、ジャズ研究。日本F.スコット・フィッツジェラルド協会会長、ミネソタ大学客員教授などを歴任。主な著書に『村上春樹ワンダーランド』(いそっぷ社)、『アメリカの消失――ハイウェイよ、再び』(水曜社)、『『グレート・ギャツビー』の世界――ダークブルーの夢』(青土社)がある。近刊に『映画は文学をあきらめない――ひとつの物語からもうひとつの物語へ』(編著、水曜社)。