定価2,860円(本体2,600円)
発売日2017年4月25日
ISBN978-4-7917-6979-7
世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう――C.L.-S.
資本主義の現代を根底から震撼させた構造主義のレヴィ=ストロース。親交半世紀に及ぶ人類学第一人者の著者が、20世紀思想の巨星が照らす鮮烈で根源的な思想の核心に、鋭利にそして多彩に迫る――。
【目次】
❶
現代思想のなかのレヴィ=ストロース ビデオ・インタヴューへの解説
人類学の視点と構造分析
「種間倫理を探求する構造主義者?」
「性―自己と他者を分け、結ぶもの」から
❷
二十二年ののちに――レヴィ=ストロースにきく
『悲しき熱帯』のいま――四十六年ののちに
写真集『ブラジルへの郷愁』をめぐって――訳者あとがきから
なぜ熱帯は今も悲しいのか
❸
日本についてレヴィ=ストロース先生が私たちに教えて下さったこと
「子供っぽい愛着のなかの緑の楽園」に接して
レヴィ=ストロース、日本へのまなざし――「月の裏側」の裏ばなしあれこれ
隅田川上のレヴィ=ストロース
❹
光芒を放ちつづける巨星――没後一年に思う
レヴィ=ストロースへの道/レヴィ=ストロースからの道
レヴィ=ストロースから学んだもの
こぼれ話、レヴィ=ストロース先生
❺
狂牛病の教訓――人類が抱える肉食という病理
二十世紀の出口で――レヴィ=ストロース/インタヴュー
レヴィ=ストロース 年譜
あとがき
[著者] 川田順造(かわだ じゅんぞう)
1934年生まれ。文化人類学者。東京大学教養学科卒業。パリ第5大学民族学博士。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授を経て、現在は神奈川大学特別招聘教授。主なる著書:『曠野から』(日本エッセイスト・クラブ賞)、『無文字社会の歴史』(渋沢敬三賞)、『聲』(歴程賞)、『口頭伝承論』(毎日出版文化賞)ほか多数。訳書:レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』ほか。1994年フランス政府文化功労章、2006年第1回日本文化人類学会賞、2009年文化功労者、2010年ブルキナファソ政府文化勲章ほか。