定価2,420円(本体2,200円)
発売日2017年3月3日
ISBN978-4-7917-6974-2
面白いところだけをかい摘まんで話しますから――自分が見た映画がとても良かった。じゃあ、人にも見てもらいたい。良かったと思ってもらいたい。
京都・鷹峯で見た撮影風景に、大学時代に出逢った巨匠・溝口健二の撮影現場、脚本家・依田義賢の映画講義、司会者役での映画『続新悪名』出演、さらにはアカデミー賞の授賞式、話せどつきぬ丁々発止の映画語り。小津安二郎、黒澤明、加藤泰、ジョン・フォード、デヴィッド・リーン、アルフレッド・ヒッチコック…映画史に輝く巨匠をはじめ、名優たちとの秘話、忘れもしない名場面を語りつくす。稀代の語り部・浜村淳の映画人生総決算!! 毎日放送ラジオ人気番組『浜村淳の浜村映画史』の浜村淳による博覧強記の映画対談。
【目次】
まえがき 浜村淳
第一章 浜村淳――映画ことはじめ
京都市北区鷹峯周辺に育つ/映画開眼/黒澤明デビュー作『姿三四郎』に感激する/戦前の映画館/「映画概論」講義で溝口健二監督の撮影現場へ/京都の映画撮影所/卒論「日本映画における家族制度の考察」/『続新悪名』に司会者役で出演/浜村の映画出演履歴
第二章 映画の語り部としての浜村淳
浜村映画講談誕生/大阪の映画館のこと/アカデミー賞授賞式に出席する/おおさかシネマフェスティバル
第三章 浜村淳が出逢った映画監督
マキノ雅弘監督/伊藤大輔監督/衣笠貞之助監督〜新国劇の話へ/木下惠介監督/加藤泰監督/野村芳太郎監督/沢島忠監督/田中徳三監督/山田洋次監督/パトリス・ルコント監督、アラン・ドロン、ソフィア・ローレン、マイケル・ダグラス
第四章 浜村淳が出逢った映画スター・女優篇
若尾文子、八千草薫/浅丘ルリ子、北原三枝/山田五十鈴、浪花千栄子/香川京子、田中絹代/岸惠子、杉村春子/新珠三千代、木暮実千代、岡田茉莉子/山口淑子、山本富士子/有馬稲子、淡路恵子/岩下志麻、吉永小百合、江利チエミ/倍賞千恵子、淡島千景/逢いたかったスター――桂木洋子、原節子
第五章 浜村淳が出逢った映画スター・男優篇
三船敏郎、市川右太衛門、片岡千恵蔵、嵐寛寿郎/大河内傳次郎、長谷川一夫、市川雷蔵/中村錦之助(萬屋錦之介)、石原裕次郎/植木等、フランキー堺、森繁久彌、伴淳三郎/三國連太郎、緒形拳/鶴田浩二、若山富三郎、仲代達矢/丹波哲郎、小林旭、加山雄三
第六章 浜村淳が語っておきたい外国映画の巨匠たち
まずは、ターザン映画の話から――/ジョン・フォード監督/ウィリアム・ワイラー監督/デヴィッド・リーン監督/アルフレッド・ヒッチコック監督
第七章 浜村淳がお勧めする古今東西の名画
『旅情』/『ローマの休日』/『駅馬車』/『風と共に去りぬ』/『北北西に進路を取れ』/『禁じられた遊び』/『サウンド・オブ・ミュージック』/『二十四の瞳』/『残菊物語』/成瀬巳喜男監督諸作品〜小津安二郎『小早川家の秋』/『五瓣の椿』/『仁義なき戦い』/『影武者』/浜村淳が語る映画の魅力
あとがき 戸田学
[著者] 浜村淳(はまむら じゅん)
映画評論家、パーソナリティー。京都市生まれの京都市育ち。誰にでもわかりやすい独自の話術は、“浜村節”と言われている。浜村節による映画語りは多くの映画ファンを心躍らせてきた。レギュラーパーソナリティーを務める毎日放送ラジオ『ありがとう浜村淳です』は一九七四年に放送開始、屈指の長寿番組としても知られる。主な著書に、『さてみなさん聞いてください』(西日本文庫)、『京都人も知らない京都のいい話』(PHP研究所)ほか多数。
[著者] 戸田学(とだ まなぶ)
作家。一九六三年大阪府堺市生まれ。二〇〇四年、よみうりテレビ「第33回上方お笑い大賞・秋田實賞」受賞。現在はテレビやラジオの番組構成、出演、映画や落語を中心とした著述で活躍している。主な著書に、『随筆 上方落語の四天王――松鶴・米朝・文枝・春団治』『上方落語の戦後史』『上方漫才 黄金時代』(岩波書店)、『上岡龍太郎 話芸一代』(青土社)。編著に『桂米朝集成』全四巻(豊田善敬共編、岩波書店)ほか多数。