古事記学者ノート(コジオタノート)

-神話に魅せられ、列島を旅して-

三浦佑之 著

  • はてなブックマークに追加
  • LINEでシェア
  • Google+でシェア
古事記学者ノート(コジオタノート)

定価2,640円(本体2,400円)

発売日2017年1月18日

ISBN978-4-7917-6968-1

ときに天衣無縫、ときに傍若無人。異色の古代文学者の魅惑の世界へようこそ。
「浦島太郎」は昔話ではなく恋愛小説、金印「漢委奴國王」は偽造、古事記の序は偽書で、律令国家の歴史書ではない……。型破りな説を展開しつづける「不良」研究者のすべて。

line2.gif

【目次】

はじめに
 

第一幕 吹きかえす 神話再生
1 まんが・小説に描かれた古事記
2 スーパー歌舞伎 ヤマトタケル
3 宝塚歌劇 スサノオ――創国への魁
4 春本『天野浮橋』「然善」とイザナミは言った
5 絵画 青木繁と古事記
6 スーパーカー オロチの走る街
7 教科書 倭健命伝承の読みかた
8 現代語訳 池澤夏樹訳『古事記』を通して


幕間に① おふくろとオヤジ


第二幕 あおられる 旅の足跡
1 異界につながる岩と洞窟
2 神の宿る風景
3 古事記の舞台を歩く
4 鯨を獲る人と舟
5 遠野へ、遠野の物語へ
6 隠れ里の祭り
7 物語のもつ力
8 夢の世へ、始まりの世界へ
 

幕間に② ことばを生きる
 

第三幕 うそぶく 時評風に
1 疑うことから始めたい
2 皇紀二千六百年、その他
3 天皇、かく語りき
4 暴力をめぐる二、三の断章
5 古代――現代のなかに
6 東日本大震災に向き合う――「読売新聞」書評
7 震災のなかの遠野と遠野物語
8 本を読み、近代に向きあう
 

あとがき
人名索引/作品名索引
 

line2.gif

[著者] 三浦佑之(みうら すけゆき)

1946年、三重県美杉村(現・津市)生まれ。成城大学文芸学部卒業、同大学院博士課程単位取得退学。共立女子短期大学、千葉大学を経て、立正大学教授。古代文学を専攻し、伝承・昔話や地方の言語などを多岐にわたり研究。1987年に『村落伝承論』(五柳書院)を著し第五回上代文学会賞受賞。2002年に古老の語り口調で訳した『口語訳 古事記』(文藝春秋)で第一回角川財団学芸賞受賞。そのほかの著作に『古代研究』、『増補新版 昔話に見る悪と欲望』(以上、青土社)、『古事記、再発見。』(KADOKAWA)、『風土記の世界』(岩波新書)、『古事記を旅する』(文春文庫)、『日本霊異記の世界』(角川選書)、『古事記を読みなおす』(ちくま新書)など多数。