異形の念仏行者

-もうひとつの日本精神史-

内村和至 著

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異形の念仏行者

定価本体3200円+税

発売日2016年12月17日

ISBN978-4-7917-6957-5

信仰を支えるものとは何か?
空海の言語論、幕末期の言霊思想をたどり、妙好人の生成や江戸期浄土僧の事跡を追い、上田秋成の往生解釈、そして親鸞の「横超」をもとりあげ、信仰という情念の不可思議さにせまる。正統からはずれていった者たちの宗教テクストを精緻に読み直すことでたどりつく、傍流の日本精神史。

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【目次】

まえがき
 

序章 メディアと他者――テクストのアルゴナウティカ


第Ⅰ部 日本的言語観の基底


第一章 空海・メディアの形而上学者――『声字実相義』
はじめに
『声字実相義』――言語・声字・宇宙的振動
宇宙的身体としての声字
仏のモナドロジー
如義言説と即身成仏
真言の構造
おわりに

第二章 〈五〇音思想〉素描――『五十音和解』
はじめに
〈五十音思想〉の輪郭
『五十音和解』――書誌・翻刻
『五十音和解』解読
おわりに

第三章 フィクションとしての妙好人――『崑崙実録』
はじめに
江戸時代における大和清九郎伝
『崑崙実録』の文脈
『崑崙実録』の周辺――尼崎屋の活動から
「読み物」としての清九郎伝
おわりに


第Ⅱ部 往生する身体


第一章 忘却の反復――『春雨物語』「二世の縁」
はじめに
中断された即身仏行
後世願い
反復される母子関係
〈不在の父〉と〈男女対〉
おわりに

第二章 ある念仏行者のドキュメント――『待定法師忍行念仏伝』
はじめに
『待定法師忍行念仏伝』書誌
待定略伝――肉体虐使の生涯
待定における信仰の構造――入信と出家
易行と苦行の境界
おわりに


第Ⅲ部 記述される信仰


第一章 地獄極楽見聞記・注釈――『孝感冥祥録』
はじめに
『孝感冥祥録』書誌
『孝感冥祥録』の成立過程
宝洲評注の基本的性格
宝洲の学問と信仰
おわりに

第二章 捨聖と学僧の境界線――『無能和尚行業記』
はじめに
無能の死と宝洲
厭求と宝洲
『無能伝』と『冥祥録』
宝洲の文献世界
おわりに


第Ⅳ部 テクストと超越


第一章 学僧・宝洲槃譚――江戸中期浄土僧の足跡
はじめに
宝洲の活動期の概観
芝増上寺時代
伊勢白子悟真寺時代
相馬興仁寺時代
京都法然院時代
宝洲の著作
おわりに

第二章 「横超」論――カタルシスなき身体
はじめに
「横超」の発出
「二双四重」の展開
「横超」の構造
発熱する身体
おわりに


終 章 〈よむ〉をめぐって――不可視の他者へ

 


あとがき
初出一覧
書名索引
人名索引

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[著者] 内村和至(うちむら かつし)

明治大学文学部教授。専門は日本近世思想・文学。
著書に『上田秋成論――国学的想像力の圏域』(ぺりかん社、二〇〇七年)。共編著に『江戸文芸とともに――水野稔遺文集』(ぺりかん社、二〇〇二年)、『文芸と言語メディア』(蒼丘書林、二〇〇五年)。