定価3,520円(本体3,200円)
発売日2016年10月25日
ISBN978-4-7917-6959-9
博覧強記の極み、学魔と畏怖される表象文化論の第一人者による、ライフワークの最新成果。
不思議な国のアリス最新考察はもとより、20世紀文学から、漱石・川端・乱歩・澁澤やマニエリスム美学、加えて赤塚不二夫ギャグの破壊力まで――。われらの時代の無限で豊かな<知>の饗宴を、熱く濃く展開する。
【目次】
狩人口上
①
パラドクシア・アメリカーナ
Contradictionary
アレハンドリア 土岐恒二先生 追善
悲劇か、喜劇か 悪魔のいる英文学誌
ペイターのマニエリスム
シャーロック・ホームズのマニエリスム
テーブル・コーディネーター 『不思議の国のアリス』の近代
②
テオーリアの始まりは終わり 漱石『文学論』管見
「尖端的だわね。」 川端康成『浅草紅団』の<目>
近代「憑」象論・覚え
表象する乱歩を表彰する
ピクチャレスク演劇王の遺産
見ることの九州 桃山 邑の幻魔術 讃
めくる、めくる、めくるめく 「驚異の部屋」の芸術工学
③
オペラティックス 横尾忠則の「美しき手法」
アルス・エルディータ 澁澤龍彦と山口昌男
ポ(ル)ノグラフィクス 金子國義 讃
シュンガ・マニエリスム
馬鹿本パニック・ルーム 「バカ塚不二夫」レトロスペクティブ
④
「常数」としてマニエリスム ホッケ『迷宮としての世界』解題
風流たる花と我思ふ ホッケ『文学におけるマニエリスム』解題
この「鎖」、きみは「きずな」と読む ラヴジョイ『存在の大いなる連鎖』解題
修羅の浪漫 由良君美『椿説泰西浪漫派文学談義』解説
体現/体験されるマニエリスム 荒巻義雄 讃
詩のカルヴィーノ 高柳誠に
テクストとしての廃墟としての建築
庭「をめぐる」本
跋 花村邦昭
後記
[著者] 高山宏(たかやま ひろし)
1947年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在は大妻女子大学教授。表象文化論。著書に『アリス狩り』シリーズ、『近代文化史入門』、『風神の袋』ほか多数。訳書に、L・キャロル『不思議の国のアリス』、W・ウィルフォード『道化と笏杖』、E・シューエル『オルフェウスの声』、R・L・コリー『パラドクシア・エピデミカ』ほか多数。