定価2,860円(本体2,600円)
発売日2016年10月26日
ISBN978-4-7917-6955-1
人類学者、ヒトの進化の科学に挑む!
科学へ突きつけられた挑戦状。我々は本当にサル=類人猿から「進化」してきたのか――。博覧強記の人類学者がこれまでの科学的言説を総点検し、その誤りと過ちを舌鋒鋭く暴き出す。
【目次】
序章
第1章 科学
はじめに/科学と遺伝学/進化と関係論/身体人類学/ 科学的人類学
第2章 歴史と倫理
非個人化された進化の歴史 / 聖像、チャールズ・ダーウィン / 倫理世界の中で仕事をする
第3章 進化の概念
適応 / 種/祖先系図としての系統発生/関係性/家族/クレードとリゾーム
第4章 進化について非還元的に考える方法
遺伝的システム/発生的システム/利用的システム/文化的システム/自然選択的システム
第5章 我々の祖先は類人猿性の境界をどうやって越えたか
人類の祖先/頭の獲得/シンボル的音声コミュニケーション、あるいは言語
第6章 生=文化的進化としての人類の進化
人肉食タブーの起源/近親姦と家族の起源/人類進化の見えない側面/人間の社会関係の生=文化的な進化/人類の進化と番いの選択/多世代性
第7章 人類の性質/文化
我々の種、我々自身/人間の微視的進化と巨視的進化の関係/ネアンデルタール人と微視的、及び巨視的進化の境界/デニソワ人に会う/結論
原註
訳者あとがき
人名索引
[著者] ジョナサン・マークス(Jonathan Marks)
ノースカロライナ大学教授(人類学)。科学に埋め込まれたレイシズムを研究の主題としている。著書に『98%チンパンジー――分子人類学から見た現代遺伝学』(長野敬訳、青土社)など。
[訳者] 長野敬(ながの けい)
生物学者。自治医科大学名誉教授。河合文化教育研究所主任研究員。著書に、『生物学の旗手たち』(講談社学術文庫)、『進化のらせん階段』(青土社)など。訳書多数。
[訳者] 長野郁(ながの いく)
東京大学農学部卒業。