現代思想2016年8月号 特集=<広島>の思想

-いくつもの戦後-

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現代思想2016年8月号 特集=<広島>の思想

定価1,430円(本体1,300円)

発売日2016年7月27日

ISBN978-4-7917-1326-4

連載●分解の哲学●第七回
人類の耐久性 チャペックから考える(下) /  藤原辰史

連載●ボブ・ディランが歌うアメリカ●第九回
「全世界というひとつの大きな刑務所」からから逃亡する流れ者と労務者 / マニュエル・ヤン

連載●科学者の散歩道●第二九回
「昭和反動」下の“科学”と“科学的” / 佐藤文隆

連載●家族・性・市場●第一二六回
国立療養所・5 / 立岩真也

 

特集*〈広島〉の思想――いくつもの戦後史

 

【エッセイ】
ヒロシマ、絶対的矛盾の中に佇む十字架 / 姜尚中
福島以降の広島 / 白井 聡
自発的プロパガンダの連鎖を断って / 森 達也


【討議】
広島は「復興」したのか 「平和都市」再考 / 西谷 修+東 琢磨


【インタビュー】
広島を「私物化」する 「ひろしま」が語りかけてくるもの / 石内 都
ワシはカッパとなって広島の川を掻く 清掃員画家・ガタロさんインタビュー / ガタロ/佐々木俊輔(聞き手)


【〈広島〉の思想】
記憶のケアから記録の修復へ 一人の被爆者の「物語」に寄せて / 川本隆史
被爆者という主体性と米国に謝罪を求めないということの間 / 直野章子
そこに歴史はない ベルリンからグラウンド・ゼロとしての広島を思う / 柿木伸之
ギュンター・アンダースのヒロシマ 政治でも、道徳でも、ヒューマニズムでもなく / 渡名喜庸哲


【いくつもの戦後史】
失われた広島と五月二七日の基町アパート / 佐々木俊輔
日々の喪失、平和の喧伝 相生通りと動員される「平和都市」 / 仙波希望
「平和」と「復興」の狭間を生きた「在広朝鮮人」 / 権鉉基


【〈広島〉の想像力】
崇高な(の)こけおどしを嗤い越える / 東 琢磨
「海の歌」が響き渡る場所 『原子爆弾の記録――ヒロシマ・ナガサキ』と蘭嶼 /  川口隆行
生政治の線引きと分かち合う線描 ヒロシマから思考するチャールズ・オルソンとベン・シャーン / 井上間従文
影の被曝者 / 崔真碩


【アメリカとヒロシマ】
オバマ大統領の広島訪問 / 高橋博子
オバマの広島演説を歴史化する アメリカの原爆言説は変わったのか / 柴田優呼
原爆投下をめぐる「必然性」と「自由」 政治的責任を論じるために / 大井赤亥


【〈平和都市〉の諸相】
「慰霊祭」の言説空間と「広島」 「無難さ」の政治学 / 福間良明
被爆地ヒロシマで揺らぐ「平和」 / 藍原寛子
「ヒロシマの平和を疑う」人間にとっての八月六日 広島におけるヘイトスピーチの展開 / 加藤有希

 

研究手帖
思想に横から吹く風をとらえる / 金山浩司