定価3,080円(本体2,800円)
発売日2016年7月8日
ISBN978-4-7917-6940-7
ヒトはうわさをするために生まれた
猿の集団が 「毛づくろい」 ができなくなったとき、それに代わるコミュニケーション手段として生まれたのが人間の 「ゴシップ=言語」 だった。生物学、脳生理学、人類学、心理学などの最新成果をふまえ、500万年を鳥瞰し、ことばの進化の歴史を根底から覆す。
【目次】
謝辞
1 むだ話をする人々(トーキングヘッズ)
たいした話ではないけれど
2 めまぐるしい社会生活へ
私の背後にいる猿 / 困ったときの友 / マキアベリ登場
ダーウィン主義への寄り道
3 誠実になることの重要性
触られる感覚 / 猿のおしゃべり / 類人猿語
4 脳、群れ、進化
猿はなぜ大きな脳を持っているのか / 様相がさらに複雑になる
人類はどこにおさまるのか
5 機械の中の幽霊
デカルトのジレンマ / 誰か他にそこにいるのか
心の中へ、そして向こうへ
6 はるか彼方へ時をさかのぼる
涼しさを保つために立って背を高くする / 森林のはずれにおける危機
仮説の検証 / 高価な組織という仮説 / 赤ん坊は手がかかる
7 最初の言葉
風に乗った身振り / 儀式と歌 / はじめての話し
8 バベルの遺物
バベルまでさかのぼる / 混乱のダイナミックス
私の兄弟そして私
9 生活のちょっとした儀式
プロパガンダという裏技 / 目は口ほどにものを言う
求婚ゲーム
10 進化の傷跡
小さいことはいいことだ / コロネーションストリートブルース
コピー機を囲んだ売り込み
訳者あとがき
参考文献
索引
[原題] GROOMING,GOSSIP AND THE EVOLUTION OF LANGUAGE
[著者] ロビン・ダンバー(Robin Dunbar)
オックスフォード大学で哲学と心理学を専攻、ブリストル大学で心理学の博士号取得。心の進化論を専門とし、現在、リバプール大学教授で心理学を担当。
[訳者] 松浦俊輔(まつうら・しゅんすけ)
名古屋工業大学助教授。訳書に、R・G・ニュートン 『宇宙のからくり』、R・ダンバー 『科学がきらわれる理由』、D・リンドリー 『量子力学の奇妙なところが思ったほど奇妙でないわけ』(以上、青土社)ほか多数。
[訳者] 服部清美(はっとり・きよみ)