定価1,388円(本体1,262円)
発売日1996年4月
■石の軌跡*4
ローマの階段 / 須賀敦子
■新ビデオラマ――もうひとつの映画館*第15夜
われらはなぜ戦うか 『フランク・キャプラ 第2次世界大戦 戦争の序曲』 / 山田宏一
■いかにして女性の哲学は可能か*最終第12講
受容的自他関係 / 三枝和子
■詩
端唄ぶり 関づくし / 高橋睦郎
レディ壱与 / 青木はるみ
濡れた針 / 井坂洋子
N.Y.作品12 / 来住野恵子
わが来歴 銀環、菊別寸四四半 / 中川千春
■第1回中原中也賞発表(選考委員=荒川洋治・北川透・佐々木幹郎・佐藤泰正・中村稔・吉田凞生)
豊原清明 『夜の人工の木』
受賞詩集より――「緑」「原爆ドーム」「明石」「たずね人」「鬼」「低い声」
特集*空中庭園
【幻成の詩学】
空中庭園のためのスケッチ、若干 / 岩成達也
石の夢/小鳥たちの夢 / 朝吹亮二
【バビロンにはじまる】
セミラミスのアリア / ポール・ヴァレリー (訳=中井久夫)
脳髄の空中庭園 ヴァレリー 「セミラミスのアリア」 註釈 / 中井久夫
架空庭園の書 / シュテファン・ゲオルゲ (訳=富岡近雄)
ゲオルゲの詩集 『架空庭園の書』 をめぐって / 富岡近雄
バビロンの架空園 失われし庭を求めて / 澁澤龍彦
【架空/綺想庭園の精神史】
蛇の追憶 神の箱庭エデンの園をめぐって / 竹下節子
匂い立つアモールの園へ / 高遠弘美
王侯プリンチペの密やかな愉しみ ボマルツォの庭園 / 尾形希和子
埋められた不協和音 キュー庭園を巡るカンヴァセーション・ピーシーズ / 安西信一
フリーメーソンの地下庭園 / 三宅理一
【無限への開かれ】
絵画の庭 / 松浦寿夫
庭が消えた / 飯島洋一
【庭の拡張】
爆発を続ける庭園 シェーンベルクのゲオルゲ歌曲集《空中庭園の書》 / 岡部真一郎
「音楽の庭」 へ 武満徹、そしてオーケストラのために / 小沼純一
庭園料理ア・ラ・シュヴァル ピエール・ガニェールのムニュ・ド・ジェオグラフィ / 許光俊
【逸脱のミクロコスモス】
庭という絵 「空」 ごと ニルス=オレ・ルンドのコラージュ / 高山宏
陰鬱なサルタンの庭園 「空懸かる庭園」 論 / 原研二
■ワールド・カルチュア・マップ
[フランス] 郊外の怒り マチュー・カソヴィッツ 『憎しみ』 / 陣野俊史
[フランス] ユスターシュ 『ママと娼婦』 恋愛の継承 / 彦江智弘
[ドイツ] 文字なき対話の果てに ベルンハルト・シュリンクの長編 / 園田みどり
[ラテンアメリカ] 読まれる画家 『フリーダ・カーロの日記』 / 安藤哲行
[ロシア] スターリンからの電話 『ショスタコーヴィッチ 回想された生涯』 から / 梅津紀雄
[幻想通信――電脳幻影不思議箱] 廃人街道まっしぐら / 大瀧啓裕
■詩写真
その青空 / 詩=早坂類 写真=入交佐妃
■追悼=武満徹
変革への意識 / 一柳慧
二つのレクイエム / 奈良原一高
武満さんの思い出に / 近藤譲
■特別掲載――エキゾチシズムの想像力
ピエル・ロティの家 / 岡谷公二
■男と男のいる映画
「ウェアリング・オブ・ザ・グリーン」 アイリッシュ・その男の匂い / 淀川長治
■今月の作品
与那覇誠俊 山下正幸 神田真紀子 森川和珠 宮岡博英 / 選=飯島耕一
■われ発見せり
スパイ / 福原泰平