定価1,361円(本体1,238円)
発売日2001年4月
ISBN978-4-7917-0072-1
■人間に関する断章*4
散歩について / 中村稔
■容疑者の夜行列車*第4輪
ベオグラードへ / 多和田葉子
■聖母のいない国――アメリカ小説を読む*4
マッカーシー 『グループ』 と 「真実」 の問題 メアリー・マッカーシー 『グループ』 / 小谷野敦
■〈南北〉の創生*10
テディ・ベアは反復する / 巽孝之
■デッドマン・レッスリング――死の臨床格闘学*9
尋常のおどけならむやチェーン持ち / 香山リカ
■耳目抄*199
「桑の村」 を読む / 竹西寛子
■詩
千駄木詩篇 / 高橋順子
連作詩篇 ただそこを、通りすぎてゆくことの、・・・・・・ ほか / 吉田文憲
■第6回中原中也賞発表(選考委員=荒川洋治・北川透・佐々木幹郎・佐藤泰正・中村稔)
アーサー・ビナード 『釣り上げては』
受賞詩集より――「ことば使い」「釣り上げては」「タッグ」「空き缶と引き換える詩」「香港、一九九五年・・・」ほか
特集*プルースト 『失われた時を求めて』 の世界
【ページをめくる愉楽】
プルーストの〈呼びかけ〉に誘われて 見出された〈読書〉の悦び/〈翻訳〉が開く愉しみ
/ 鈴木道彦+澤田直
【プルースト頌詩】
夢のしずく / 吉田加南子
【エッセイ】
ある記憶 「失われた時を求めて」 をめぐって / 粟津則雄
同時代の面白さ / 飯島耕一
スコット・モンクリーフの英訳 / 富士川義之
【〈見出された〉フィギュール】
「ミス・サクリパン」 とそのモデル / 吉川一義
プルーストの草稿を読む ニジンスキーの登場をめぐって / 吉田城
ヴァントゥイユの音楽の 「鍵」 「スワン氏は私達が発見した嬰へのソナタを多分ご存じないでしょう。」
/ 原潮巳
透明と不透明のはざまで(collage) / 松岡新一郎
【「失われた時を求めて」の体験】
最も映画的な小説家 / ラウル・ルイス [聞き手=鈴木布美子]
真の接吻器官 / 川中子弘
サン=ルイ島のスワン / 斉木眞一
プルーストの観た日本 / 鈴木順二
プルーストと写真的現実 / 根本美作子
【小説の力】
プルースト・読書と批評 / 保苅瑞穂
回帰と彷徨 二〇世紀の〈古典〉としての 『失われた時を求めて』 / 湯沢英彦
語り手の枕頭の書 / 中野知律
小説という脱≠領土 プルーストはサント=ブーヴからいかにバルザックを奪い返すか / 芳川泰久
【作家の誕生】
薔薇色のまぼろし プルーストからネルヴァルへ / 野崎歓
闇のなかで交差する光のエクリチュール プルーストとシュルレアリスム / 和田恵里
花と毒薬 プルーストの方へ/ジュネの方へ / 梅木達郎
■ワールド・カルチュア・マップ
[フランス] 今を思い出す過去 メイエールとリクール / 椎名亮輔
[フランス] ピーター・ブルック 『ハムレットの悲劇』 / 笠羽映子
[ドイツ] 古くて新しい姦通小説 ディーター・ヴェラースホフの長篇 / 園田みどり
[ラテンアメリカ] 駒を自在に扱って イグナシオ・パディージャ 『アムピトリュオーン』 / 安藤哲行
[ロシア] 『悪い子のすすめ』 いたずらっ子の味方オステルの絵本 / 毛利公美
[中国・シンガポール] シンガポールの劇作家 郭宝崑の世界 / 飯塚容
■特別掲載
悪の源泉はどこにあるのか 『モレク神』 をめぐって
/ アレクサンドル・ソクーロフ [聞き手=前田英樹 通訳=児島宏子]
■今月の作品
風間明 柳川杏美 森本雅子 世良圭子 / 選=安藤元雄
■われ発見せり
カシオーリ! / 城殿智行