定価1,361円(本体1,238円)
発売日2002年12月
ISBN978-4-7917-0097-4
■連載
私の昭和史 12 / 中村稔
■魔術的跛者*9
メフィストフェレスの足 / 種村季弘
■空間の思考*6
神話と幾何学 ダニエル・リーベスキント(1) 「マイクロメガス」 / 多木浩二
■魔法の石板――ジョルジュ・ペロスの方へ*12
火急の言葉 / 堀江敏幸
■翼へのパッション――飛行機と想像力*2
鳥人へのまなざし / 橋爪紳也
■詩
良き人への想い零れおちて / 長谷川龍生
静岡の腹時計 / 宋敏鎬
どこまでもオレンジの原っぱを / 大下さなえ
アナグラム人名図鑑 / 石津ちひろ(文)+宇野亜喜良(絵)
特集*ベンヤミン
【発見されたベンヤミン】
収容所からの手紙 グレーテル・アドルノ宛書簡 / ヴァルター・ベンヤミン (訳=松岡新一郎)
【軌跡を渉猟する】
ヴァルター・ベンヤミン、あるいは批評の瞬間 〈メシア的転換〉の構造とその諸相 / 浅井健二郎
街路の異性 / 三原弟平
ベンヤミンと写真 / 久保哲司
小人の囁き ベルリン 1902‐2002 / 田中純
夢と目覚めの弁証法 ベンヤミンの思想圏におけるパサージュ、シュルレアリスム、映画 / 谷昌親
【遭遇する言葉と思考】
林立する矛盾の中で 『複製技術時代の芸術作品』 revisited / 與謝野文子
暴力について ベンヤミンの通路 / 守中高明
「複製技術時代の芸術」 を読みながら / 松本圭二
ミセス・パラシュートの碑文 / 倉石信乃
歩く思考 / 川俣正
箱庭 / 向井豊昭
【見出された磁場】
来るべき子どもたち 野性と革命と異質性の場 / 丹生谷貴志
法の外? / 絓秀実
諸力論序説 零度を穿つ波動 / サドッホ(後藤浩子×澤野雅樹×矢作征男)
【燃えあがる記憶/響震する声】
「月に近い町」ダルドンネ にて 繭のなかのベンヤミン / 今福龍太
言葉の閃光を掴まえる ベンヤミンという〈経験〉をめぐって / 多木浩二+吉増剛造
【変貌するアウラ/呼応するポイエーシス】
『帝国』 からの《悲劇》の誕生 あらたな演劇の動向をめぐって / 鴻英良
貧困さの徴のもとで / 松浦寿夫
二重性の変奏 / 河本英夫
天使の歌を聴くために / 東琢磨
【Benjamin‐Affection】
ベンヤミンの測量のために 文献案内の試み / 田崎英明
■ワールド・カルチュア・マップ
[イギリス] 報われぬ愛への挽歌 サム・メンデス演出 『十二夜』 『ヴァーニャ叔父さん』 / 本橋哲也
[フランス] ストーンズ×小説家 フランソワ・ボン 『ローリング・ストーンズ、ある伝記』 / 國分俊宏
[フランス] 詩を聞き取る場 『Po&sie』 誌二五周年の日本特集 / 上田眞木子
[ドイツ] 近頃マイン河畔の達引 フォーサイス辞任の顛末 / 副島博彦
[チェコ] 書籍が物語る映画への関心の高さ / 赤塚若樹
[ラテンアメリカ] ナルココリード / 安藤哲行
[ロシア] アクチュアルな六〇年代
マルレン・フツィエフ監督 『夕立ち』、ウラジミル・ヴェンゲロフ監督 『再生の街』 / 井上徹
[中国] 作家の居場所 北島と史鉄生 / 山口守
■今月の作品
小桧山崇 近藤弘文 / 選=小池昌代
■われ発見せり
暗紫色の死体 / 内藤千珠子
■ユリイカ2002年 総目次