定価1,046円(本体951円)
発売日1992年8月
■Compositions libres
「どくとるマンボウ医局記」について / 北杜夫
■連載――触覚と文化*8
盲目論 / 港千尋
■連載――異常体験の心理学*最終回
ポリネシア流魂の航海術 / 吉福伸逸
■insomnia
精神分析としあわせ / 岡野憲一郎
特集=精神病理学のパラダイム 人間とはなにか
【精神病理学の未来】
哲学、精神医学、そして科学的進歩の諸様相 / マンフレッド・スピッツァー (訳=兼本浩祐)
【盲目論】
パースペクティヴ性と妄想 / ヴォルフガング・ブランケンブルク (訳=川合一嘉+高橋潔)
人生を生きることとしての出会いとその妄想における障害
パースペクティヴ引き受けの精神病理学 / ヴァルター・フォン・バイヤー (訳=坂本暢典)
【パラノイア論】
パラノイア中核論の妥当性と将来への展望 / 内沼幸雄
【ことばの精神病理学】
空間性と記憶 分裂病者と言葉の関係 / 津田均
ヒステリーの精神病理をめぐって 語用論的観点から / 福原泰平
【システム論の家族療法】
システム病理学‐システム療法 / パウル・ウァツラヴィック (訳=渡辺直樹)
【構造力動論・構造分析】
ヤンツァーリクの構造力動論について / 古城慶子
構造に依存した力動の逸脱 精神医学の構造力動的基礎
/ ヴェルナー・ヤンツァーリク (訳=古城慶子)
精神病理学における構造‐分析的試みの治療面の帰結 / ヘルマン・ラング (訳=朴光則+岩脇淳)
【構造主義】
ソシュールとラカン 精神分裂病の理解に向けて / 羽根晃
「ノエシス」と「シニフィアン」をめぐって 木村現象学とラカンについての若干の考察 / 兼本浩祐
【ポスト構造主義】
ポスト「ポストモダン」の精神病理学へ 「七〇年代」から「九〇年代」への架橋の試み / 鈴木瑞実
構造から対話へ バフチーン/ガタリのポリフォニー / 吉沢順
【現象学】
「精神医学的根本現象」が呼び開く「もの」それ自体への問い
ハイデガー存在論の精神医学的寄与の困難さについて、予備的省察 / 松尾正
「体験」の構造 「生」・「自覚」・「他者」をめぐっての一試論 / 中嶋聡
知と感性 兼本論文へのコメント / 木村敏
〈あいだ〉の在処をめぐって 個別以前の生命のオントロジー / 木村敏+中嶋聡
■連載――自転車旅行主義[cyclotourismisme]*8
シチリアの黄昏の月 / 香山リカ
■連載――アンの迷走 モンゴメリーと村岡花子*13
双子の記号 / 小倉千加子
■海外研究レポート
D・P・スペンス『フロイトのメタファー』 精神分析のパラダイム・チェンジ / 妙木浩之