定価2,090円(本体1,900円)
発売日2010年4月
ISBN978-4-7917-1210-6
責任編集=亀山郁夫+望月哲男
【エッセー】
話はそう単純にはいかない 暴走する物語、立ちつくす作者 / 鹿島田真希
牢獄の壁に記す / 黒川創
ドストエフスキーの負のエネルギー / 中村文則
ユーモリストとしてのドストエフスキー / 豊崎由美
実在としてのラスコーリニコフはこの国にまだ現れない / 森達也
公爵は三度ベルを鳴らす / 太田直子
『未成年』 『カラマーゾフの兄弟』 『水死』 / 海老坂武
ドストエフスキーが小説家になったとき / 吉岡忍
ドストエフスキー作品のオペラ化を検討する / 笠松泰洋
グレン・グールドとドストエフスキー ムイシュキン・コンプレックスをめぐって / 宮澤淳一
「意味の世界」 とキリスト教 ドストエフスキー再読 / 大井玄
をんなを描くドストエフスキー / 辻原登
【ドストエフスキー新訳】
チーホンの庵室で 『悪霊』 第二部第九章 / ドストエフスキー (訳・解説=亀山郁夫)
解説 「スタヴローギンの告白」 はどのようにして生まれたか? / 亀山郁夫
【対談 1】
今、ドストエフスキーを読み直す / 平野啓一郎+亀山郁夫
【対談 2】
ドストエフスキー読解の可能性 / 亀山郁夫+望月哲男
【インタビュー】
ドストエフスキーの世界性 / 沼野充義 [聞き手=亀山郁夫]
【作家論】
ドストエフスキーと父親殺し / ジークムント・フロイト (訳=中山元)
ドストエフスキーとフョードロフ 精神的血縁性の系譜 / アナスターシャ・ガーチェワ (訳=安岡治子)
【資料】
オブセッションの連鎖 オレグ・リクーシン 『乞食たちの日』 について / 岩本和久
【コメンタリー】
「ラザロよ、出で來たれ!」
『罪と罰』 第四部第四章コメンタリー / ボリス・チホミーロフ (訳・解説=松本賢一)
【評論】
『罪と罰』 の深層構造 批評の醍醐味はテキストの解体と再構築にこそある / 清水正
『白痴』 をめぐる想念 / 富岡幸一郎
『白夜』 の季節の悪霊的断面 スペシネフの秘密結社論とドストエフスキー / 山城むつみ
ドストエフスキーと自殺 『悪霊』 に見るその様相 / 清水孝純
今日の韓国社会とドストエフスキー パク・チャヌク監督の映画というプリズムを通して / 金玹英
【ロシアからのメッセージ】
奈落の淵にて / イーゴリ・ヴォルギン (訳=杉里直人)
「聴く」 から 「見る」 へ / タチヤーナ・カサートキナ (訳=杉里直人)
ペルソナなきポストモダニズムの大海で / パーヴェル・フォーキン (訳=杉里直人)
ドストエフスキー最期の日々 / ナターリア・アシンバーエワ (訳=杉里直人)
危機の時代のドストエフスキー / エレーナ・ノヴィコワ (訳=杉里直人)
目的としてのドストエフスキー / リュドミラ・サラスキナ (訳=杉里直人)
懐疑の坩堝をくぐり抜ける / ボリス・N・チホミーロフ (訳=杉里直人)
【ドストエフスキーをめぐる言葉 1】
古今東西のドストエフスキー (世界編) / 編=望月哲男+亀山郁夫
【ドストエフスキーをめぐる言葉 2】
古今東西のドストエフスキー (日本編) 私的アンソロジーとして / 編=福井勝也
日本のドストエフスキー / 福井勝也
【作品論】
ドストエフスキーと去勢派 『女主人』 の解釈に寄せて / オリガ・ディラクトルスカヤ (訳=越野剛)
『罪と罰』 の捜査担当官ポルフィーリー・ペトローヴィチ、
あるいは文学と法の交錯に関する反人物論的考察 / 番場俊
『白痴』 とホルバイン 「墓のなかの死せるキリスト」 / サラ・J・ヤング (訳=乗松亨平)
アイスランドのスタヴローギン 『悪霊』 への一視角 / リュドミラ・サラスキナ (訳=郡伸哉)
恥と理想イデヤ 『未成年』 の世界 / 望月哲男
恥という遺産 『カラマーゾフの兄弟』 論 / デヴォラ・マルティンセン (訳=諫早勇一)
『カラマーゾフの兄弟』 の思想構造における 「大審問官」 / パーヴェル・フォーキン (訳=鈴木淳一)