「平家物語」は、ただの軍記物語ではない。 この物語は、歴史上に浮かび上がる人物を、なんといきいきと描き出していることだろうか。 打ち首によって、子を先に失う親や、冷淡に命乞いを切り捨てる武者… これは、時代や方法は違えども、時にわたしたちの身の回りでも起こりうる人間模様ではないだろうか。 いかに豊穣に「平家物語」、「保元・平治物語」を読み解くことができるのか。 著者はこれまでの読解を刷新していき、新たな「平家物語」の読みへと読者を案内する。