凡庸な芸術家の肖像

-マクシム・デュ・カン論-

蓮実重彦 著

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凡庸な芸術家の肖像

定価5,280円(本体4,800円)

発売日1988年12月

ISBN4-7917-5048-9

マクシム・デュ・カンとは、フローベールの友人として知られる二流三流の文学者である。私がその名前を知ったのが、ボードレール『悪の華』の訳注だった。そこに、こうある。「マクシム・デュ・カンは巴里に生まれ、バーデンに死んだ文学者であり旅行家であり、「巴里評論」「両世界評論」「デパ新聞」等に寄稿した詩人で小説家で文芸批評家で社会学者で歴史かで進歩主義雑文家である」 一体彼は何ものなのか、興味をそそられた。そこに、マクシム・デュ・カンに関する殆ど唯一のまとまった書物がこれである。800頁にわたる大著である。重さはゆうに一キロを超え、読んでいると目より先に腕が疲れる有様である。